原油価格がついに130ドルを突破
#513
こんにちは、チャーリーです!
タイトルにも書きましたがWTI(原油価格)がついに高値で130ドルを突破しました。
まずはWTI(原油価格)の推移を見てみます。
2022年2月24日にロシアがウクライナに対して宣戦布告した後から原油価格が急騰していることがわかります。
なぜ原油価格が急騰したかというと…
アメリカが同盟国と協調しロシアから原油の輸入禁止を検討していて、原油の供給不足への警戒感から原油価格が急騰しました。
ちなみに日本の外務省のホームページには1日あたりの原油生産量の多い国ランキングが載っています(2019年のデータ)。
画像引用元:外務省
これを見るとアメリカが生産量で世界トップですが、実は消費量も世界トップなんです。
しかも生産量よりも消費量の方が多いので、アメリカは原油を輸入に頼らざるを得ない国なんです。
1日あたりの石油の消費量が多い国ランキング
画像引用元:外務省
上記したようにアメリカは消費量も世界トップなんです。
しかも、「生産量」<「消費量」なので不足分を輸入しないといけない。
原油生産量トップ10の1日当たりの生産量の合計が68,089(1000バレル/日量)なので、トップ10の中だとロシアの生産量シェアが16.94%あります。
単純にこの16.94%のシェアを担っているロシアからの輸入禁止を検討しているので供給不足の懸念から原油価格が急騰したというわけです。
余談ですが、バレルというのはワインが入っている樽を思い浮かべてください。
その樽のことをバレルと言います。
石油が入っているバレルは約159リットルらしいです。
ここで素人考えでは「原油の供給量が不足するんならサウジアラビアなどのOPEC(石油輸出国機構)加盟国が増産すればいいんじゃないの??」と思ってしまいます。
このことについては改めて調べてみると、いろんな事情が絡み合っていました。
登場人物は以下の通りです。
OPECプラスとは、OPEC加盟国にOPEC非加盟国を加えた国で構成されています。
OPECプラスで原油の生産量を増やすのか、減らすのかどうするかを話し合って決めています。
このOPECプラスの国がコロナが世界的に大流行した2020年5月から協調して日量970万バレルの減産を開始しました。
これはコロナで世界の原油需要が急減して原油価格が急落したからです。
供給量を抑えるためです。
単純な構図で「需要量」>「供給量」の時は原油価格が上昇します。
逆に「需要量」<「供給量」の時は原油価格が下落します。
今は、この協調減産の量を少しずつ減らしています。
減産量を日量40万バレル減らしています。
減産量を減らすので、実質は増産と同じ。
2022年3月2日のOPECプラスの閣僚級会合で減産ペースを維持することで合意したんです。
OPEC加盟国のリーダーであるサウジアラビアとしては、2つの思いがあります。
・2022年3月2日に取り決めた合意を反故にできない。
→ OPEC非加盟国のリーダーがロシアなので合意した内容を反故にできない
・産油国としては原油価格は高ければ高いほど嬉しい。
→ 高い価格で輸出できるので
こういう事情があるので、世界的に原油が供給不足になるからといっても、OPECプラスは簡単に増産できないんです。
2022年3月2日の会合でもウクライナ問題に関する言及は一言もなかったらしいです。
整理すると…
原油価格は高止まりする可能性が大です!
産油国の事情を考えると原油価格は容易には下がらないと思います。
ウクライナ、ロシアのことが解決しない限り原油価格が下がることは難しいです。
ということは早くウクライナ情勢が解決しないことにはインフレも収まらないということになります。
一刻も早く戦争が終結することを願います!