約6年8ヵ月ぶりの水準!! 原油価格が上昇中
#318
こんにちは、チャーリーです!
世界的に脱石油・脱炭素の流れになったので原油価格に、ほとんど注目していなかった間に原油価格がじわじわ上昇していました。
タイトルにも書いた通り、約6年8ヵ月ぶりの高値水準まで原油価格が上昇しています。
まずは原油価格の推移から見ていきます。
世界的に脱石油になっているので需要が減っているにも関わらず原油価格が6年8ヵ月ぶりの高値になった理由は3つあります。
・OPEC(石油輸出国機構)プラスによる減産
→OPECプラスとはOPEC非加盟主要産油10ヵ国も含めた組織のこと
・バイデン大統領によるシェールオイル採掘の認可の取り消し・規制強化
・コロナワクチン接種が進んだことで経済活動が回復してきている
1つ目の「OPEC(石油輸出国機構)プラスによる減産」について
コロナが大流行して世界的にロックダウンした2020年3月~4月は経済活動がストップしたので原油の需要が激減しました。
その結果、原油価格が史上初のマイナス価格を付けました(原油取引の特殊要因が大きく関係ある)。
※ ここではマイナス価格の説明は長くなるので割愛します。
これに対応するためにOPEC(石油輸出国機構)とOPEC非加盟主要産油10ヵ国が2020年5月~2022年4月まで原油を減産することで合意しました。
→原油の供給量を意図的に減らすことで、原油価格を上げようとした。
当初の合意内容(2020年4月12日に合意)
2020年5月~6月:日量970万バレルの減産
2020年7月~12月:日量770万バレルの減産
2021年1月~2022年4月:日量580万バレルの減産
ただ、ここで問題が発生したんです!
上記に載せたように原油価格が上昇してきたので、当初想定していた減産をしなくてもよくなったので、2022年4月まで毎月、日量40万バレルずつ減産量を縮小していくことで話し合っていましたが、2021年7月5日にアラブ首長国連邦(UAE)が難色を示したことで決裂しました。
また減産を2022年4月から2022年12月末まで延長する案についても決裂しています。
→ アラブ首長国連邦は自国の収入を伸ばしたいので、原油価格が上がっている内に増産して稼ぎたい
2つ目の「バイデン大統領によるシェールオイル採掘の認可の取り消し・規制強化」について
これは脱炭素の流れを考えると当然のことだと思います。
例えば、ガソリン車から電気自動車に世界的に大きく舵を切っているのも、石油(ガソリン)は二酸化炭素を多く排出するからです。
3つ目の「コロナワクチン接種が進んだことで経済活動が回復してきている」について
経済活動が停滞している状況よも経済活動が活発化してきた方が原油需要が増えるので、需給バランス回復してきました。
「経済活動が活発化してきている」+「原油を減産している」=原油価格が上昇する
整理すると…
OPECプラスの協調減産によって原油価格は回復してきましたが、心配なのはOPEC加盟国のサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の歩調が乱れてきていることです。
減産の期限である2022年4月まではアラブ首長国連邦も減産を続けると思いますが、その後は自国の収益を伸ばすために思いっきり増産する可能性があります。そうなると他の産油国もそれに追随する可能性が大なので原油価格が大暴落する可能性があります。
どの国も好んで減産しているわけではないので(減産すると収入が減るので)。
原油価格が急落すると株式市場にも影響が出るので今後も注目する必要があります。