「ビザ」VS「マスターカード」VS「アメックス」

#759

こんにちは、チャーリーです!

アメリカ企業が続々と決算発表を行っている最中ですが、決済大手3社の決算が出そろったので比較してみたいと思います。

 

決済大手3社とは「ビザ」「マスターカード」「アメリカンエキスプレス(以下:アメックス)」のことです。

 

まずは2010年からの株価推移を見てください。

   

2010年1月からの比較チャートですが、オレンジのマスターカードが断トツに上昇率が高いです。

これはあくまで“株価”推移です。

割高とか割安とかはその企業によって変わってくるので、本当に比較しないといけないのはEPS(1株あたりの利益)の推移だと思います。

 

以下の表は各社の年次報告書・四半期決算書から数字を抜粋して作成しています。

まずは2009年からのEPS(1株あたりの利益)を調べてみます。

2009年を100としてその後どう推移しているかを表しています。

EPS=企業価値を見ると、株価程は差が開いていません。

マスターカードとビザも株価ほどの差はありません。

これは単純にマスターカードが3社比較だとEPS(1株あたりの利益)に対して株価が買われ過ぎていることを表していると思います。

 

 

今度はビザが2015年11月に「ビザ・ヨーロッパ」を212億ユーロ(約2兆8000億円)で買収した後からのEPS(1株あたりの利益)を比較してみます。

2009年からの比較だとマスターカードのEPS(1株あたりの利益)が一番伸びていましたが、ビザが「ビザ・ヨーロッパ」を買収した後からの比較だとビザのEPSの成長率が一番高くなっています。

買収により収益力が高くなったということです。

 

 

次はコロナ直前からの比較をしたいと思います。

ビザがEPS(1株あたりの利益)の落ち込みが一番少なく、且つ2022年12月末ではEPSが一番伸びています。

2020年12月にアメックスのEPSが群を抜いて落ち込んでいるのは明確な理由があります。

難しい言葉でいうと、「信用供与」を行っているからです。

すごく簡単にいうと、消費者がクレジットカードを利用して銀行口座から引き落とされるまでの間、お金を立て替えているということです。

 

アメックスは「信用供与=お金を立て替えている」を行っていますが、ビザとマスターカードの2社だけは信用供与を行っていません。

※ カード発行会社が信用供与を行っています。

※ ビザとマスターカードはクレジットカードは発行していません。

このクレジットカードの場合だと、ウォルトディズニー社がカードを発行していて、「信用供与=お金を立て替えている」を行っています。

 

なのでコロナみたいな経済的な逆風が吹いてもビザ、マスターカードは落ち込みが少ないんです。

2020年にビザとマスターカードのEPS(1株あたりの利益)が減ったのは、ただ単純にクレジットカードでの消費額が減ったからです。

 

一方アメックスは2020年は消費者を信用して立て替えていたのに、消費者が残高不足でお金が支払われなかったことでEPS(1株あたりの利益)が大きく落ち込みました。

クレジットカードを作るときに審査で落ちて作れなかったという話を極々まれに耳にしますが、その審査というのがお金を立て替えてもいいかどうかの信用度合いを審査しているんです。

信用供与できる消費者かどうかを…

 

 

整理すると…

EPS(1株あたりの利益)の推移を見ると、ビザは2015年11月に「ビザ・ヨーロッパ」を買収してから収益力が増してEPSの成長率もマスターカードを上回っています。

しかもコロナという経済的逆風がビュンビュン吹いた時期を見ても一番落ち込みが少なかったです。

もっというと、2022年は歴史的な高インフレで経済的逆風がまたしてもビュンビュン吹きましたが、2022年どうだったのかは以下の通りです。

EPSの成長率(前年同期比)

ビザ:+18.37%増

マスターカード:+16.66%増

アメックス:-16.96%減

やっぱりビザは強い!

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