2020年度 決算発表:テスラ

#180

こんにちは、チャーリーです!

電気自動車メーカーでいろいろと株式市場を賑やかしているテスラの決算の発表が2021年1月27日にありました。

 

テスラは事業内容や将来性を考えると会社としては物凄く興味がある会社ではありますが、かと言って投資したいかと言われると全く触手が伸びません。

それは業績の割に株価が先取りで大きく上がっているからです!

 

ただ、今回の決算発表の内容はしっかりと把握しておく必要があると思うので調べてみたいと思います。

 

以下の表は全てテスラの四半期報告書のデータを基に作成しています。

四半期報告書はこちら

 

さっそく発表された業績を見てみたいと思います。

比較できるように過去5年間の業績も一緒に載せています。

 

売上高

    

 

 

営業利益・純利益

テスラ史上初めて通期で黒字を達成した!!

 

キャッシュフロー

これを見るとどの項目も順調に年々業績が良くなっていることがわかります。

 

 

EPS(1株あたりの利益)

2020年の実績ベースのEPSが0.64ドルなので、今の株価が793.53ドルで計算すると、PERは1239倍になります。

793.53ドル÷0.64ドル=1239倍

 

これは利益の1239倍まで株価が買われているということです!

これがどれだけ異常かは過去ブログ(第二弾: テスラはバブルなのかを考える)を参照してください。

 

業績は良くなっていますが、実はEPS(1株あたりの利益)が事前に予想されていた数値に届かなかったんです。

なぜ事前に予想されていた利益水準まで届かなかったのかが重要なポイントです。

その理由

・中国での電気自動車を値下げしたため利益が思ったより出なかった

・イーロン・マスクCEOらが業績連動型の前例のない高額報酬パッケージを組んでいるため、それが1株当たりの利益を下げた

 

 

1つ目の中国での電気自動車の値下げに関しては、中国市場でシェアを伸ばす目的で積極的に値下げしたとも取れますが、実際は中国の電気自動車メーカーとの価格競争で値下げせざるを得なかったが本質だと思います。

主力の「モデル3」は価格競争のために3割の値下げに踏み切ったらしいです。

→この現状が今後中国以外でも起きる可能性がある

 

2つ目の業績連動型の高額報酬パッケージに関しては、2018年の株主総会で承認されていることです。

その内容は…

すごく簡単に説明すると、時価総額と売上高が指標になっており、元々定めていた時価総額と売上高を上回ると新たにテスラの株式を破格の価格で買うことができるというものです。

これは総株数で2,030万株を12回に分けてもらえるというものです。

 

この業績連動型の報酬パッケージによって新たに株式を発行することになります。

これの何がいけないのかというと…

この理屈で1株当たりの利益が下がってしまったんです。

イーロン・マスクCEOは今まで給料を受け取っていなかったので、株主も承認したんだと思います。

この高額報酬パッケージの条件は時価総額と売り高と書きましたが、実はそれプラス1つあります。

それは、イーロン・マスクCEOが次の10年間(2028年まで)もテスラに所属することを保証するという条件も含まれています。

 

正直、テスラはイーロン・マスクCEOの手腕で成長できたし、イーロン・マスクCEOじゃなかったら株価もここまで買われることはなかったです。

なので株主にとっては今後10年間、イーロン・マスクCEOがテスラに所属してくれるっていうのはすごい心強いと思います。

 

 

整理すると…

今回2020年度の決算内容を調べてみましたが、やっぱり触手が伸びなかったです…。

中国での3割の値下げがやっぱり気になります。

アップルが電気自動車に参入して、GMやVW(フォルクスワーゲン)も電気自動車に本格的に取り組んでいることを考えるとどんどん競争が激しくなります。ということは、中国市場以外でも価格競争にさらされて利益が思ったより出にくくなると予想できます。

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