日本企業の自社株買いが過去最高
#871
こんにちは、チャーリーです!
昨日のブログ(2023年10月-12月期 決算発表:ビザ)の中で自社株買いのことに触れました。
その自社株買いのことが2024年1月31日の日経新聞に載っていたので取り上げたいと思います。
その記事は以下の通りです。
画像引用元:日本経済新聞(2024年1月31日朝刊1面)
日本の上場企業全体で2023年の1年間で自社株買いの金額が9.6兆円と過去最高だったらしいです。
厳密には自社株取得枠を取締役会で決議したのを集計しているので、実際自社株買いを実施した金額ではないですが…
過去の推移はこちらです。
画像引用元:日本経済新聞(2024年1月31日朝刊1面)
こう見ると2022年も自社株買いの金額が多かったことがわかります。
自社株買いをすると何がいいのかというと…
自社株買いを行うと発行済み株式数が減って、株主価値が上がることから株主還元になるからです。
この計算式を見たら発行済み株式数が減ることがなぜいいのかがわかると思います。
EPSとは、1株あたりの利益
BPSとは、1株当たりの純資産
分母である発行済み株式数が減ると、EPSやBPSは上昇しやすくなります。
株主にとっては嬉しいことなので株主還元になるんです。
ただ、押さえておかないといけないことがあります。
日本とアメリカの文化の違いです!
日本企業の株主還元は、主に「配当」
米国企業の株主還元は、主に「自社株買い」
アメリカ企業の自社株買いの金額を見たらビックリします。
2023年度の自社株買いの金額
アップル:766億ドル(約10兆7,240億円)
ビザ:121億ドル(約1兆6,940億円)
アップル1社で日本の上場企業の合計金額よりも多いです。
アップルは別格だとしても日本とアメリカの文化の違いがわかると思います。
日本の上場企業は配当金をいくら出しているかというと…
2023年3月期の集計なので約1年前のデータが日本取引所グループが公表しています。
2023年3月集計:15兆790億円
2023年度の配当金の金額
アップル:151億ドル(約2兆1,140億円)
ビザ:37億ドル(約5,180億円)
これは本当に文化の違いなのでどっちかいいとか悪いとかは個人の好みの問題になります。
論点になるのは持続性があるのかです!
私は投資先を考える上で「再現性」をかなり重要視します。
たまたま今だけ調子がいいのでは失敗する確率が高くなるからです。
整理すると…
日本株が上がっている理由の1つに自社株買いが関係していると思います。
内部留保を消化するためにここ数年は積極的に株主還元を行っていますが、これが継続するかどうかは別問題です。
その辺は冷静に判断しましょう。