S&Pグローバルの株価が上がらない理由②
#807
こんにちは、チャーリーです!
昨日のブログ(S&Pグローバルの株価が上がらない理由①)で私が保有している且つオススメ銘柄のS&Pグローバルの株価が上がっていない理由を書きました。
一言で書くと「利上げの影響で債券等の発行件数・金額が減ったから」です。
今回のブログでは「じゃーこれからはどうなの??」というのを書いていきたいと思います。
2つの考え方があります。
・利上げが一服して利下げに転じれば問題ない
・S&Pグローバル社の収益構造が変わった
1つ目の「利上げが一服して利下げに転じれば問題ない」については、昨日のブログからの流れを見ればわかりやすいと思います。
利上げが始まった2022年3月から世界の債券発行件数・金額が減少していることがわかります。
利上げが開始する2022年3月までを見ると、多少デコボコはありますがずっと右肩上がりに増えています。
世界人口が増えて世界の経済規模が拡大すると、それに伴って債券等の発行件数・金額は増え続けるので、長期目線で見ると利下げがなくても、債券等の発行件数・金額は増えていく可能性が高いんです。
ちなみに2015年12月~2018年12月の間もアメリカは利上げを行っています。
その時の債券発行金額の推移を見てください。
利上げを行っている期間でもデコボコしながら債券発行金額は増え続けているんです。
今回との違いは、利上げペースです!
今回は歴史的にもあり得ないペースで利上げを行いました。
どうしても不安になる人は一休さんのアニメを思い出してください。
「あわてない あわてない。一休み一休み」
今はまさしくそんな感じだと思います。
続いて2つ目の「S&Pグローバル社の収益構造が変わった」について書いていきます。
昨日のブログでも載せましたが、最初に2021年度の部門別の営業利益を見てください。
一番稼いでいる部門がレーティング(格付け)部門ということがわかります。
レーティング:信用リスク分析(格付け)を中心とした金融サービス
マーケットインテリジェンス:財務データや分析ツールの提供を行う金融サービス
プラッツ:商品(金や原油などのコモディティ)市況の情報提供を行っている
インデックス:S&P500などの株価指数のインデックスを算出する金融サービス
次に2022年の部門別の営業利益を見てみます。
一番営業利益を稼いでいる部門が変わっているのに気付きますか??
2021年度と2022年度を並べて比較します。
今までの話の流れを考えると、もしかしたらレーティング(格付け)部門の営業利益が落ち込んだからそうなったんでしょって思っている人もいるかもしれません。
もちろんその理由もないことはないですが、根本は違います!
S&Pグローバルは2022年2月28日にHISマークイットを440億ドル(約4兆8400億円)で買収したのを覚えていますか??
この買収したHISマークイットが得意としているのが、マーケットインテリジェンスなんです。
HISマークイットを買収したことによって収益構造が大きく変わったということです。
具体的な数字でも見てみます。
※ 単位:百万ドル
マーケットインテリジェンス部門の営業利益が買収により、大きく増えていることがわかると思います。
この部門は企業の財務分析や分析ツールを提供している部門なので、基本的に景気動向に影響は受けにくい部門なんです!
このことを踏まえると、今までは利上げによってレーティング(格付け)部門の営業利益が減益になることで、会社全体の利益まで大きく左右されていましたが、今後は仮に利上げで債券の発行件数・金額が減少しても、会社全体に与える影響は今までよりは軽微になります。
S&Pグローバルは今までよりもさらに強固なビジネス体系に進化したんです!
整理すると…
S&Pグローバルの株価が1年4ヶ月間まったく上がっていないので不安になると思いますが、前回・今回のブログを見ていただくと不安になる必要はないということがわかると思います。
S&Pグローバルも本当に長期投資向きの企業なので、ほったらかし戦法を実践していきましょう。