S&P500は割高なのかを考える
#299
こんにちは、チャーリーです!
今若い人を中心にして、投資を始める人が増えてきています。
今から初めて投資を始めようと考えている人は主に2つの考え方に分かれています。
・ビットコインなどの仮想通貨で一発当てようとする人
・S&P500に長期投資をした方がいいと考える人
1つ目の「ビットコインなどの仮想通貨で一発当てようとする人」に関しては、ゼロサムゲームなので他人を出し抜かないといけません。
他人を継続的に出し抜こうと思ったら確率が下がり、再現性に乏しいのでオススメはしません!
2つ目の「S&P500に長期投資をした方がいいと考える人」については、その通りです!
ただ、長期投資を実現できないと、いくらS&P500に投資しても結局は損してしまうので要注意です。
経験者ならわかると思いますが、この長期投資を実現することが案外ハードルが高いんです!
買った後にすぐ上がり始めてくれたらいいんですが、買うタイミングによっては7年間くらいは全く利益が出ない期間があることも覚悟しておかないといけません。
2000年8月31日~2007年10月31日まで7年2ヵ月
2007年10月31日~2013年3月8日まで約5年4ヵ月
投資してから5年間とか7年間全く株価が上がらなかったらどう思いますか?
「もう上昇相場が終わった」って思う人が大半だと思います。
もっと言うと、5年間とか7年間全く上がらない商品をずっと持ち切れる人はほとんどいないと思います。
ここでの重要なポイントは2つです!
・株価だけを見ていたら長期投資を実現できない
→ 株価が上がっていなくてもEPS(1株あたりの利益)が伸びていたら問題ない
・今が割高なのか?割安なのか?を判断して買わないといけない
株価が割高なのか?割安なのか?を判断する指標でPERがあります。
PERは、株価がEPS(1株あたりの利益)の何倍まで買われているのかを見る指標です。
過去と比較して数値が高ければ高いほど割高と判断します。逆もしかりです。
それでは今のS&P500のPERを見てみたいと思います。
以下の表は全てFACTSETから引用しています。
引用元:FACTSET
これを見る限りではS&P500は過去5年平均、過去10年平均のPERと比べるとかなり割高になっていることがわかります。
今の予想PERは約22倍です。
次にS&P500のEPS(1株あたりの利益)を見てみます。
年間EPS
コロナでの経済活動停止があったので、2020年は当然EPSが減っています。
四半期ごとのEPS
2020年3Qから少しずつ回復してきています。
このEPSを踏まえた上で、もし今のEPSのまま過去5年平均のPERである約18倍になったらS&P500はいくらになるかというと…
2021年6月18日のS&P500:4166.45
計算式
「2021年の予想EPS」×「PER」=S&P500の理論値
※ 2021年の予想EPSは190.16ドル(上記グラフから抜粋)
PERが18倍の場合:3422.88
EPS190.16ドル×PER18倍=3422.88
→今の株価よりも17.84%低い水準
PERが16倍の場合:3042.56
EPS190.16ドル×PER16倍=3042.56
→今の株価よりも26.97%低い水準
上記はS&P500が下がるパターンで計算しましたが、そうではなく、S&P500はそのままでEPSが上昇するパターンで計算してみます。
※ 2021年の予想EPS:190.16ドル、S&P500:4166.45
PERが18倍の場合:EPSが231.46ドルにならないといけない
4166.45÷PER18倍=EPS231.46ドル
PERが16倍の場合:EPSが260.40ドルにならないといけない
4166.45÷PER16倍=EPS260.40ドル
上記グラフを見ると、2022年のEPSでさえ211.93ドルなので、2022年のEPSで計算してもまだ割高と言えます。
こういう時に買うと、買ったあと3年~5年は上がらないという落とし穴に落ちてしまう可能性があります。
整理すると…
上記で計算したように今のS&P500は明らかに割高です!
じゃーなぜ株価が下がらず、逆に上がっているのかというと、「金融緩和のおかげ」なんです。金融緩和が続いている間は強気でいいですが…
ただ、長い目で見ると、株価は必ずと言っていいほどEPSと連動します!
なので適正水準まで株価が下がるか、もしくは、株価が数年間横ばいで推移している間にEPSが上がってくるのを待つかのどちらかしかないです。
これを避けるためには、一度に全額投資しないことか、毎月積立投資をしていくかしかないと思います。