今後の物価はどうなるかを考える
#736
こんにちは、チャーリーです!
ここ数ヶ月の米消費者物価指数(CPI)を見るとインフレは落ち着いてきたように見えます。実際の推移は以下の通りです。
総合指数は5ヶ月連続でインフレ率が鈍化しています。
考えないといけないことはこれが「一時的なのか」、「もうインフレはピークアウトしたのか」ということです。
2022年12月14日に公表されたFOMCメンバーによる予測では2023年にはインフレはある程度落ち着いてくると予測されています。
FOMCメンバーの予測は以下の通りです。
※ 中央値
個人消費支出(PCE)物価指数
2022年:5.6%
2023年:3.1%
2024年:2.5%
2025年:2.1%
消費者物価指数(CPI)と個人消費支出(PCE)物価指数は計算方法が少し異なるために、数値が違ってややこしいかもしれませんが、そこは完全にスルーしても大丈夫です。
大事なことは、2022年よりもインフレ率がどうなっているのかです。
FOMCメンバーは2023年にはかなりインフレが収まると考えています。
私なりになぜ来年にはインフレが落ち着いてくるのかを考えてみます。
物価といってもいろんな製品があります。
ここでのポイントはどの製品の物価が収まれば、全体的にも物価が下がってくるのかを知ることだと思います。
まずは米消費者物価指数(CPI)の構成比率を調べてみます。
以下の表はCPIを発表している米労働省労働統計局のホームページから数字を抜粋して作成しています。
見てわかる通り、一番影響力を持つ項目は「住居費」ということがわかります。
この「住居費項目」を見る上で知っておかないといけないことがあります。
実際の住宅費が下がっていたとしても「タイムラグ」があるので、それがCPIに反映するのは半年~1年遅くなります。
それを踏まえた上でアメリカの中古住宅の平均販売価格の推移を見てください。
以下の表は全米不動産業者協会(NAR)が公表しているデータを基に作成しています。
ニュースを見て知っている人がいたかもしれませんが、アメリカの中古住宅の平均販売価格は2022年6月をピークにして下がってきています。
この理由はすごく単純です。
「住宅ローンの金利が上がったから」です。
FRBが鬼の形相で利上げを行った結果、消費者物価指数(CPI)で一番大きな比率を占めている「住居費」は下がってきています。
これがCPIに反映してくるのがタイムラグがあるので半年~1年後くらいなんです。
そう考えると、12月で半年が経つのでそろそろCPIの「住居費」も下がってきてもいい頃だと思います。
整理すると…
アメリカの中古住宅の平均販売価格が2022年6月をピークに下落していることを考えるとインフレ自体もそろそろ下がってきてもいい頃だと思います。
それは米消費者物価指数(CPI)の構成比率の中で「住居費」が一番大きい割合を占めているからです。
こういう事実を知っていたら、インフレが落ち着いてきていることが一時的なのか、どうかのかが判断できると思います。
インフレ鈍化までもう少しの辛抱なのでなんとか踏ん張りましょう。