実質実効為替レートが51年ぶりの低水準に…

#723

こんにちは、チャーリーです!

今回はかなり難しい内容です。

なるべくわかりやすいように書いていきます。

「実質実効為替レート」についてです。

私も100%理解できていません。

 

それなのになぜ「実質実効為替レート」のことを書くのかというと…

この前のブログ(国力が弱まっているから…)を読んでいただいた読者から鋭い指摘を受けたからです。

 

その鋭い指摘は以下の通りです。

「実質実効為替レート」は1971年8月以来となる約51年ぶりの低水準になっているから円安に向かう可能性の方が高いんじゃないのか??

勉強熱心でかなり詳しい方だと思います。

 

正直、私は知らなかったです…汗

 

 

そもそも「実質実効為替レート」とは何なのか??

これを考える上では、この「実質実効為替レート」という用語を分解して考えた方が早いです。

・実質為替レート

・実効為替レート

 

実質為替レートとは

普段私たちが普段目にする為替レートは「名目為替レート」といいます。

「名目為替レート」と「実質為替レート」の違いは物価変動も考慮されているか否かだけです。

「名目為替レート」:物価変動を考慮せず

「実効為替レート」:物価変動を考慮している

 

「実効為替レート」は、日本の物価が上がっていない時に海外の物価が上昇している場合には、日本の製品が割安になり、海外の製品が物価上昇により割高になるので、名目為替レートに変化がなければ実効為替レートは円安になります。

 

 

次に「実効為替レート」について

実効為替レートは、日本円とアメリカドルなど特定の2通貨間の為替レートのことではなく、多くの通貨に対して円高なのか、円安なのかを計る為替レートです。

 

なので「実質実効為替レート」とは

多くの通貨に対して物価変動を考慮した為替レートのことなんです。

この「実質実効為替レート」が上昇すれば円高、下落すれば円安と考えられます。

 

このことを踏まえて「実質実効為替レート」の推移を見てください。

以下の表は日本銀行のホームぺージから数字を抜粋して作成しています。

そのデータはこちら

 

 

日銀のホームページには1980年1月以降のデータしか載っていませんでしたが、今が一番低水準ということがわかります。

 

この表を意訳すると、”日本は諸外国と比べて相対的に物価が安くなっていっているので「実質実効為替レート」は下落していっている”だと思います。

日本の物価が諸外国と比べて安いので、コロナ前は訪日外国人が年間で3000万人以上も日本に訪れてきていたんです。

これは単純に物価が安いからという側面が強いと思います。

物価が安いという理由じゃないと、中国人がわざわざ旅費をかけて日本に来てまで爆買いはしないと思います。

 

観光庁の発表によると2019年の訪日外国人の消費額は4兆8113億円で7年連続で過去最高を更新したみたいです。

2020年以降はコロナが流行したので論外ですが…

 

 

ここまでは私でも理解できました。

ただ問題はここからです。

この「実質実効為替レート」と「名目為替レート(普段目にする為替)」の推移を見てください。

わかりやすくするために右軸の「実質実効為替レート」の数値を反転させています。

「実質実効為替レート」は数値が小さくなれば円安という考え方

「名目為替レート」は数値が大きくなれば円安という考え方

なのでわかりやすくするために反転させています。

 

 

これを見て何を感じますか??

2つは連動している??

連動しているようにも感じるけど、連動していないようにも感じる…

 

連動していないように感じるのはこの部分です。

赤い点線の部分は明らかに連動していません。

青色の線は右肩上がりになっていて、オレンジの線は緩やかな右肩下がりになっています。

1995年~2012年まで17年間も逆の動きをしています。

 

また1995年を見ると1980年以降で「実質実効為替レート」が一番高いです。

それにも関わらず、名目為替レートは2011年の東日本大震災の時が一番円高になっています。

 

1985年9月のプラザ合意以降で見ても…

青色の線は右肩上がり

オレンジの線は若干右肩下がり

多少の誤差ならわかりますが…誤差の範疇を超えていると思います。

 

長い目で見てこれを連動していると言っていいのかどうかのかの判断がつきません。

そもそも連動していないのであれば「実質実効為替レート」が51年ぶりの低水準になったからと言って、イコール名目為替レートが円安になるとは言えなくなります。

 

みなさんはどう判断しますか??

私の意見としては「連動していないように見える」です。

ただ、「実質実効為替レート」がどんどん下がっているのは日本の物価が諸外国と比べて低いからです。

イコール相対的に国力が落ちているということです。

 

やっぱり「実質実効為替レート」から見た国力で判断しても、国力低下=円安(名目為替レート)ではないと言えるのでは…

国が破綻するような事態に陥れば話は別ですが。

そうなると為替って何と連動するのか…

金利差??

もしアメリカを中心とした国が歴史的なインフレにもなってなく、利上げを行っていなかったらどうなっていたと思いますか??

それでも円安になっていたと思いますか??

 

 

整理すると…

確固たる結論は出ません。

ただ私は今回調べた限りだと、日本国が破綻しないと思う人は「実質実効為替レート」は過度に気にする必要はないような気がします。

日本が諸外国と比べて物価が安くなっていて国力が落ちているというのは「実質実効為替レート」を見てよーくわかりました。

ただそれがイコール円安に結びつかないような気がします。

円安になる一要因ではあると思いますが…

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