中央銀行の考えを整理してみる
#436
こんにちは、チャーリーです!
今為替が円安になっていたり、ガソリン価格が1ℓ163円と高騰していたり、利上げの時期が早まるんじゃないかと心配したりと、毎日ニュースに振り回されている人が多いと思います。
そういうニュースに振り回されないように、各国の中央銀行が経済見通し、特にインフレ・利上げについてどう考えているのかを整理してみたいと思います。
まずは、見通しの話じゃなくて、事実から整理すると…
アメリカは、2021年11月からテーパリングを開始しています。
テーパリングというのは、中央銀行が市場から国債などの資産を買い取る金額を減らしていくことを言います。
今どれくらい中央銀行が市場から資産を買い取っているかというと
ただ、ここで各国の中央銀行の予想が外れてきているので市場関係者が焦っているんです。
それは、「インフレは一時的」と言っていたにも関わらず、物価がどんどん上がっているからです。
アメリカにいたっては、2021年11月10日に発表された消費者物価指数の前年比に対する伸び率が1990年以来、31年ぶりの上昇率になっています。
EUは、消費者物価指数の前年比に対する上昇率が2008年7月以来の13年ぶりの上昇率になっています。
これを受けて物価上昇(インフレ)を抑えるために、予定よりも利上げが早まるんじゃないかと思われて、市場関係者(投資家)が右往左往しているんです。
これについては、個人的には「利上げは早まらない!!」という結論になります。
あくまで今のところはですけど…
なぜかというと
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は2021年11月19日に、“痛みを伴う”として「インフレが加速しても金融政策を早期に引き締めるべきではない(利上げすべきではない)」との見解を示しました。
また来年(2022年)の利上げは想定してないと改めて表明しました。
ラガルド総裁はインフレ加速(物価上昇)が実質所得を圧迫していて、特に低所得者層にしわ寄せがいっていることをECBは認識していると語りました。
ただ、今のインフレは供給サイドに起因するインフレなので、そのインフレに対しては
「早期な引き締め(利上げ)に急ぐべきではない」
「エネルギー・燃料価格上昇によって購買力が圧迫されている時に適切でない引き締め(利上げ)を行えば、景気回復に対して正当でない逆風をもたらす」
との認識を示しました。
今のインフレは物への需要が高まって、購買意欲が高まってインフレになっているわけではなく、コロナ禍で労働人材が確保できない、それに伴って物流が滞っていること、エネルギー価格が上がっていることが要因でインフレになっているので利上げを行ったとしても、インフレを抑制できないと考えているわけです。
このことはアメリカにも全く同じことが言えます!
ただ、アメリカはEUと違って経済の回復が力強いため、FRB内ではアメリカ経済が力強いのでテーパリングのペースを速めたほうがいいという意見もあります。
でも繰り返しになりますが、アメリカもテーパリングのペースを速めたり、利上げを行ったとしても、インフレの要因となっている労働人材が確保できるわけではないですし、物流が以前のように機能するわけでもないので利上げを予定より早めるという判断はしないと思います。
整理すると…
今回は少し難しい内容になってしまいましたが、チャーリー目線では利上げが予定よりも早くなることは基本的には考えられないという結論です。
それは、利上げを行ってもインフレになっている原因の解決にならないため、利上げを行うことで景気回復の腰折れになる可能性が高いと考えるからです。
そういう決断をFRBがしないと思っています。
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が言っているように、インフレ(物価上昇)が続くと“痛みを伴う”ことにはなりますが…
今のインフレを抑える方法は、利上げではなく、コロナを早く終息させて労働市場に人を戻すことだと思います。
1件のピンバック
2021.11.30 資産公開 | 必見!!失敗しないための株式投資