要注意!? エーザイの株価上昇を見て思い出したこと

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こんにちは、チャーリーです!

情報的には少し古いというか遅いですが、2021年6月7日に米バイオジェンとエーザイが開発したアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ:Aduhelm」が米食品医療薬品局(FDA)から承認されました。

それを受けてエーザイ株が急騰しました。

 

たった半月で63.97%の上昇ってすごいですよね!

 

 

なぜ株価が急上昇したかというと…

① 世界で5000万人、日本で600万人いるとされている認知症患者の内、その60%~70%が“アルツハイマー型認知症”だと言われています。今回の新薬はこのアルツハイマー型認知症に効果があります。

② これまでの薬は症状を一時的に緩和する効果しかありませんでしたが、今回の新薬はアルツハイマー病の根本的な原因物質に直接作用する画期的な治療薬です。

 

②のことを簡単に書くと、アルツハイマー病の原因は、脳から排出されるタンパク質「アミノロイドβ」が蓄積して、神経細胞を壊すことによるものだと考えられています。

新薬は、このアミノロイドβを取り除いて、神経細胞を守ることで、アルツハイマー病が進行することを防ぐ効果があると期待されています。

 

 

以上の効果があり、尚且つ世界中に3000万人~3500万人のアルツハイマー型認知症の患者がいると言われているので、2025年までにブロックバスター(年商10億ドル以上の薬品)になると予想されているので株価が急上昇したんです!

 

ただ、投資という観点でここで思い出すことがあります。

それは、小野薬品工業が開発した「がん治療薬のオプジーボ」です!

 

このがん治療薬のオプジーボも画期的な薬として当時すごく注目されました。

その結果、小野薬品工業の株価がどうなったかというと…

2014年7月から2016年4月まで今回と同じように急上昇しています!

 

でも2016年4月以降は株価が急落して、一時は上昇する前の元の水準まで下がっています。

この時に何が起こったのかというと…

薬価(薬の値段)が高すぎるので、薬価を半分にしろと政府から言われて強制的に値下げさせられたんです。今はもっと値下げされて発売当時の76.43%も薬価が下がっています。

→ 当然値下げすると、小野薬品工業の利益はその分少なくなります。

 

政府がなぜ急にそんなことを言い出したかというと…

このオプジーボを1年間使用すると年間の治療費が3500万円もかかり、しかも保険の適応対象なので、3500万円の9割とか7割を国が負担しなければいけなくなり、財政負担が大きくなるので薬価を引き下げました。

この時に薬価が欧米諸国と比べても高すぎると指摘した政治家が今の首相である管義偉さんです。

 

今回の新薬は3500万円まで高額ではないですが、年間の治療費は610万円くらいかかると言われています。オプジーボと同じく保険適用になれば財政負担が大きくなる可能性があり、薬価引き下げの動きにならないとも限りません。

何が言いたいのかというと、材料株に飛び乗って儲けるやり方はすごく難しく、難易度が高いということです。

 

 

整理すると…

小野薬品工業のオプジーボ相場の時に最終的に大損した投資家を何人も見ました。

こういう単発的な材料に飛び乗って投資をするやり方は、経験上なかなかうまくいかないです。

そもそも期待値だけで買われているので、そういった相場がずっと続くわけありません。小野薬品工業みたいに薬価引き下げなどの悪材料が出なかったとしても、いくらで買って、いくらで売ればいいのかの判断が全くできません。

最終的にはビットコインに投資しているような感覚になって、上がるから買う、買うから上がるというのを繰り返すだけのマネーゲームになります。

自分が買った株価よりも高く買ってくれる愚かな投資家が出現するまで待つしかできなくなります。

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