医療保険大手のメディカルケア・レシオ

#888
こんにちは、チャーリーです!
昨日は医療保険大手の保険料収入などを調べましたが、保険料収入を調べている過程で「メディカルケア・レシオ」という言葉をよく目にしました。
メディカルケア・レシオとは
…保険料収入に対する医療費の保険金支払いの割合を示す指標
当然この「メディカルケア・レシオ」は数値が低ければ低いほどいいということになります。
今回のブログでは「メディカルケア・レシオ」を調べてみたいと思います。
これがわかればユナイテッドヘルスの強みも見えてくると思います。
メディカルケア・レシオの比較
これは私の中では実は以外でした。
調べる前はもっと拮抗していると思っていました。
これは何を意味しているのかというと…
「競合他社より医療費の保険金支払いが少ない」ということです。
考えられる理由は2つです。
・顧客に対して適正に保険金を支払っていない
・保険金支払いを抑える仕組みが整っている
1つ目の「顧客に対して適正に保険金を支払っていない」に関しては保険料を保険会社に支払っている契約者からしたら迷惑な話です。
さすがにこの可能性はかなり低いと思います。
そんなあくどい商売をしていたら契約者が離れていきます。
ユナイテッドヘルスはアメリカの医療保険会社の中で一番契約者数が多いです!
それを考えると1つ目の可能性は極めて低いです。
2つ目の理由がめちゃくちゃ可能性が高いです。
少し前のブログ(薬剤給付管理(PBM)とは)を覚えていますか??
すごく簡単にいうと…
ユナイテッドヘルスは薬剤給付管理(PBM)事業を展開しています。
薬剤給付管理(PBM)は処方箋調剤を患者に給付しています。
且つ
薬剤給付管理(PBM)会社は薬局や医療機関が製薬会社からどの医薬品をいくらで買うのかを決めます。
ということは
製薬会社に対して処方箋調剤(医薬品)を値引きさせる(安く仕入れる)ことで医療費の保険金支払いが少なく済みます。
処方箋調剤の値段は日本と違って政府が決めません。
民間企業が決めます。
なので処方箋調剤を安く患者(保険契約者)に提供すれば契約者に支払う保険金の節約になるんです。
この薬剤給付管理(PBM)事業とのシナジー効果があるので「メディカルケア・レシオ」が競合他社と比べて低いんだと思います。
競合他社に比べて医薬品を安く患者に提供することへのインセンティブが働きます。
患者にとってもすごく嬉しい話です。
次は「保険料利益」を調べます。
※ 保険料利益は完全に私の造語です。
「保険料収入」-「保険金給付額」=「保険料利益」
保険契約者への保険金給付額が競合他社より少ないので、保険料利益も大きいのは当たり前です!
前回のブログで載せた保険料収入を再度見てください。
2023年の保険料収入の差を見てください。
ユナイテッドヘルスと競合他社との保険料収入額の差
CVS:2.93倍ユナイテッドヘルスが多い
アンセム:2.03倍ユナイテッドヘルスが多い
今度は保険料利益の差を見てください。
CVS:3.78倍ユナイテッドヘルスが多い
アンセム:2.64倍ユナイテッドヘルスが多い
これも当たり前の話ですが、利益ベースだと競合他社との差がもっと広がっています。
利益率が高いということ。
これこそがユナイテッドヘルスが他社を寄せ付けない強みだと思います。
まさしく「堀」です。
堀とは永続的競争優位性があるビジネスのことをいいます。
整理すると…
ここ最近ユナイテッドヘルスのことをブログで書く頻度が多かったですが、やっと自分の中でユナイテッドヘルスの「堀」を自信を持って理解できました。
腹落ちしました。
患者にとっても安く処方箋調剤を購入することができるし、ユナイテッドヘルスにとっても利益率が高くなるビジネスモデルが構築できています。
素晴らしい企業です。