2022年バフェットの「株主への手紙」:業績予想編
#781
こんにちは、チャーリーです!
昨日のブログに引き続き2023年2月25日に公表されたウォーレン・バフェットが毎年書いている「株主への手紙」について触れていきたいと思います。
株主というのは、バフェットが会長を務めているバークシャーハサウェイ社(以下バークシャー)の株主のことを指しています。
「株主への手紙」を読んで私がやっぱりそうだった!と思ったことがあります。
「重要な警告があります。私たちが好んで使用する営業利益でさえも、経営者により簡単に操作される可能性があります」
「(企業業績)が期待値を上回ることは、経営上の勝利と称される」
「その活動には嫌悪感を覚えます。数字を操る才能は必要ない。(期待値・業績予想を上回ることに対して)必要なのは、人を騙そうとする深い欲望だけだ」
何を言っているのかよくわからない人もいると思います。
私なりに意訳します。
アナリストや企業自身が予想した業績予想を上回ることが賞賛されているので、経営者は合法的に数字を操作して良い決算内容に見せようとします。
バフェットはそのことに嫌悪感を覚えいるということです。
これはそもそも業績予想をするのでこういう事態に陥ってしまうんです。
バフェットはその章の最後に資本主義の恥ずべき姿の1つになっているとまで書いています。
話はゴロっと変わります。
バフェットといえば税金を払っていないことで有名です。
アメリカの報道機関プロパブリカがアメリカの富裕層の上位25名の納税記録を独自入手して分析した結果を発表しています。
その報告書によるとアメリカの富裕層上位25名の資産は2014年~2018年の間に4010億ドル(約43.7兆円)増えましたが、所得税の納税額は136億ドル(約1.48兆円)にとどまったということです。
資産増加分に対する税金支払い額の比率は3.39%でした。
※ この税金支払い比率のことを「真の税率」と言っています。
136億ドル(所得税納税額)÷ 4010億ドル(資産増加額)=3.39%(真の税率)
年収が7万ドルくらいのアメリカの標準的な世帯の所得税率は14%です。
アメリカの富裕層がいかに税金を払っていないかがわかると思います。
ちなみに同期間のバフェットはどうだったかというと…
「資産増加額」÷「支払った所得税」=「真の税率」
バフェット:真の税率0.1%
資産が増えても税金を払っていないことがわかります。
ただこれにはちゃんとした理由があります。
バフェットの資産はほぼバークシャーハサウェイ株と言ってもいいくらいなんですが、バフェットは長期投資なので売却しません。
売却しない限りは利益が確定しないので納税義務は発生しません。
バークシャーハサウェイ株は無配当(配当を出していない)ですし。
前述した「操作」とは全く違います。
そのバフェットが会長を務めているバークシャーハサウェイ社の納税額がすごいんです。
「株主への手紙」に書いてあることをそのまま書きます。
2021年までの10年間で米国財務省は約32.3兆ドルの税金を受け取る一方、43.9兆ドルを支出した。
※ 政府としての税収・支出のことを言っています。
バークシャーハサウェイ社の法人税による貢献は、この10年間で320億ドルで、財務省が(10年間で)徴収した全収入のほぼ10分の1である。
つまり、バークシャーハサウェイと同額の納税者が全米に約1,000人いれば、他の企業も1億3,100万世帯も連邦政府に税金を払う必要がなかったということだ。一銭も。
それくらいバークシャーハサウェイ社が納税しているということです。
バフェットはこうとも書いています。
連邦税に関しては、バークシャーハサウェイ株を所有する個人は、「会社で寄付をした」とはっきり言うことができる。
※ バークシャーハサウェイが個人に代わって寄付(納税)したということ
整理すると…
後半部分は余談として書きましたが、前半部分は大事なことです。
業績予想よりもいいとか悪いとかは意味がないことなので、それによって株価が動いた時は気にしない方がいいです。
バフェットは予想すること自体が無意味なことだといつも言っています。
だからこそ堀が深い競争優位性を有しているビジネスに投資するんだと。