えっ!?知らなかった…インベスターリターンの考え方
#297
こんにちは、チャーリーです!
私は今、「インデックス投資は勝者のゲーム~株式市場から利益を得る常識的方法」という本を読んでいます。
ジョン・C・ボーグル[著]、長尾慎太郎[監修]、藤原玄[訳]
その本の中に「金額加重リターン」という言葉が出てきました。
初めて聞く言葉でした…汗
金額加重リターンとは、別名インベスターリターンとも言い、「このファンドを持っている投資家は実際、どれくらい儲かっているのか?」を知ることができる指標です!
※ 以下からインベスターリターンで統一して書いていきます。
投資信託のリターンを見る指標としては2つあります。
・トータルリターン: 対象とする期間でどれくらい値上がり(値下がり)したかを表す指標
・インベスターリターン: 当該ファンドを保有している投資家が実際、いくら儲かったのかを表す指標
トータルリターンの考え方は、1年間なら1年間を保有し続けたと仮定して上昇率を出します。
一方インベスターリターンは、実際に得られる利益(リターン)は売買のタイミングによって変わってきます。その売買のタイミングを加味した数値です。
→ 運用担当者の力量の話ではなく、投資家がそのファンドを売買するタイミングがポイントになります。
以下の2つのファンドを例に考えてみてください。
グローバルAIファンド
→このファンドはモーニングスター社から最優秀ファンド賞を受賞しています。
次にeMAXIS Neo バーチャルリアリティ
→このファンドは過去1年間でグローバル株式ファンドの中で一番上昇率が高かったファンドです。1年間で2.86倍になった。
この2つというか、ほぼ全ての投資信託に共通していることは、基準価格が上昇すればするほど純資産残高が増えています。純資産残高が増えているということは買い付ける人が多いということです。
逆に、基準価格が横ばい・もしくは下落している時の純資産残高は全くと言っていいほど増えていません。
言い換えれば基準価格が低い時期に投資せず、高くなってから投資しているので高値掴みをしている可能性が極めて高いということです。
高値掴みや安値で売却をしているかどうかを見る計算式
※ 実際投資家がどれくらい儲かっているのかを見る計算式
高値掴み・安値売りの場合
「インベスターリターン」―「トータルリターン」=答えがマイナスになる
安値買い・高値売りの場合
「インベスターリターン」―「トータルリターン」=答えがプラスになる
→基準価格の上昇率よりも多く利益が取れている
実際どうなのか…
2020年のモーニングスター社が選出した、「ファンド・オブ・ザ・イヤー2020」の各部門の最優秀ファンドで調べてみます。
まずは国内株式型部門
国際株式型(グローバル)部門
国際株式型(特定地域)部門
安定資産(債券・バランス安定)型部門
バランス(成長)型部門
どのファンドも「インベスターリターン」<「トータルリターン」となっています。
これは運用担当者が悪いのではなく、投資家がそのファンドを買い付けた・売却したタイミングが悪いということです。
整理すると…
このブログの冒頭で「インデックス投資は勝者のゲーム」という本を読んでいると書きましたが、その本の中には「平均的なファンドの投資家が手にしたリターン(実際の利益)は、平均的なファンドが公表しているファンドのリターンよりも1.5%も低い」と書いてありました。
これのギャップを避けるためには長期投資しかありません。感情に従って、売買のタイミングを決定しているのでこういう結果になってしまうんです…