高金利通貨に投資して損してしまう理由
#673
こんにちは、チャーリーです!
「高金利通貨ほど将来、価値が安くなる」
こう言われたら???ってなる人が多いと思います。
ただ、私には身に覚えがあります。
証券マン時代、高金利を求めて南アフリカランド、ブラジルレアル、トルコリラ、ロシアルーブルなどの新興国通貨に投資した人はかなり高い確率で損したからです。
肌感覚でいうと、90%を超える比率で損したと思います。
※ ここでの損は受け取った金利は含んでいません。
実際の為替レートの推移を見てみます。
南アフリカランド
ブラジルレアル
トルコリラ
メキシコペソ
ロシアルーブル
一目瞭然でどの為替も高金利通貨安になっているのがわかります。
一時的には上向きになる局面は見受けられますが、下落基調は変わっていません。
なんでこんなことになると思いますか??
「金利平価説」を知っていますか?
ってそんなワード初めて聞いたという人が多いと思います。
実は私も今読んでいる本に出てくるまで知らなかったです…汗
今読んでいる本
水瀬ケンイチ【著】、フレスト出版【出版】
「金利平価説」とは何かというと…
上記本の99ページをそのまま引用します。
『一見、魅力的に見える高金利の外貨は、長期的には通貨自体が安くなって金利差は相殺されてしまうという考え方があります(金利平価説といいます)。』
わかったようなわからないような気がします。
この「金利平価説」の理論がどういうものか実際計算してみます。
ここまではただ、1年後に金利がついたらどうなるかというだけです。
1年後の1.1375レアルを1レアルに直すために1.1375で割ります。
同じく日本円の27円も1.1375で割ります。
27円÷1.1375=23.73円
理論上(計算上)1年後の為替は1レアル=23.73円になります。
わかりやすく1年後で計算しましたが短期的にはこのようにはなりません。
長期的には理論上こうなるという説です。
本に書いてある「長期的には通貨自体が安くなって金利差は相殺されてしまう」というのが何となくわかりましたか??
いくら高い金利をもらっても、その分通貨が安くなってしまうので上記のチャートのような推移になってしまうらしいです。
なのでこの本の著者である水瀬ケンイチさんは外国債券への投資はせず、分散投資してリスクを軽減したいのであれば日本債券に投資すべきだという考えです。
極論をいうと、「金利平価説」の理論を信じるのであれば長期的には、外国債券に投資しても、日本債券に投資しても金利を含めたリターンは同じになるということだと思います。
かなり難しい内容になりましたが、そういう考え方もあるというのを知っておくだけでもプラスだと思います。
もし、営業員から「新興国通貨に投資しませんか??」と言われたら一歩踏みとどまって、冷静に判断できるようになると思います。
整理すると…
今回はかなり難しい内容になってしまいましたが、知っておいて損はない理論だと思います。
実際はいろんな理由があるかもしれませんが、今回取り上げた「金利平価説」も通貨安になる大きな要因の1つだということがわかりました。
投資は知れば知るほど奥が深いです…