インフレは収まってなかった…

#588

こんにちは、チャーリーです!

2022年6月10日に米労働省労働統計局が2022年5月の消費者物価指数(CPI)の発表を行いました。

すごくややこしいですが、少し前に書いた個人消費支出(PCE)物価指数とは違います。

ここではFRB(米連邦準備理事会)が利上げの判断材料にするのは、個人消費支出(PCE)物価指数ということを覚えておいてください。

 

少し前のブログ(物価上昇が落ち着いてきた!?)で物価は落ち着いてきていると書いたばっかりなのに、今回はほぼ真逆の発表内容になりました。

(物価上昇が落ち着いてきた!?)で書いたのは4月の個人消費支出(PCE)物価指数でしたが、今回は5月の消費者物価指数なので対象期間が違うということも認識しておいてください。

 

 

2022年5月の消費者物価指数がどうだったかというと…

・総合指数は前年同期比の伸び率が8.6%

→ 1981年12月以来で40年5ヵ月ぶりの水準

・変動の激しい食品・エネルギーを除いたコア指数は前年同期比の伸び率が6.0%

→ 先月よりは鈍化している

 

過去の推移を調べてみます。

以下の表はすべて米労働省労働統計局のホームページから数字を抜粋して作成しています。

データ元はこちら

 

 

コロナでロックダウンになったあとに経済活動が再開してから物価が急上昇していることがわかります。

 

これはサプライチェーンのボトルネックが原因です!

サプライチェーンのボトルネックとは…

コロナの影響でトラックの運転手や港湾の人手不足などで思うように商品を運搬できなくなって物流が滞ってしまうこと。

 

総合指数は第二次石油ショック後にインフレが長期化した1981年12月以来となる40年5ヵ月ぶりの高水準になっていますが、食品・エネルギーを除くコア指数は2ヶ月連続で物価が下落しています。

コア指数が2ヶ月連続で下落していることは良い兆候だと言えます。

 

冒頭に書いたようにFRB(米連邦準備理事会)が利上げの判断材料にするのは、個人消費支出(PCE)物価指数であって、今回発表された消費者物価指数(CPI)ではないですが40年5ヵ月ぶりの高水準になっているというのは悪いニュースには違いありません。

 

 

なぜインフレが収まりにくいのかというと…

キーワードは「リベンジ消費」らしいです!

2022年6月11日の日経新聞朝刊5面の内容をそのまま引用します。

ワシントンでウーバーを運転する女性は

「今年の夏は3年ぶりに息子のいるペルーに帰る」

「(インフレによる)旅費の高さもコロナ禍で家族と会えなかった期間の長さを考えれば我慢できる」

 

4月の航空運賃は2021年4月から33.3%上昇し、コロナ前の2019年4月と比べても10%以上高くなっています。

それでも運輸保安庁(TSA)によると、空港の利用者は1日211万人と2021年4月と比べると1.5倍になっているらしいです。

 

アメリカの消費はインフレになっても衰えず旺盛ということです。

このリベンジ消費がいつまで持続するのかは不明ですが…

 

 

整理すると…

アメリカのインフレは収まったかと思いきや40年5ヵ月ぶりの水準まで上昇してしまいました。

消費者物価指数(CPI)はFRBが利上げを行うかどうかの判断指標にはならないとは言え、次回の個人消費支出(PCE)物価指数も上昇する公算が高いと思います。

今は6月7月は0.5%の利上げが決まっていますが、9月の利上げ幅が注目されています。

もし9月まで0.5%の利上げ幅になれば株価の重しになることは必至です。

仮にそうなったとしても「やまない雨はない」「明けない夜はない」と思って辛抱するのが最善の策だということを忘れないでください!

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