ヘッジファンドはなぜうまくいかないのか?
#14
こんにちは、チャーリーです!
前回は①ヘッジファンドとは、②ヘッジファンドの過去のパフォーマンスを書きました。
今回は…
③ヘッジファンドに投資できるものなら投資した方がいいのか?
私の答えはノーです!!
理由はいたって単純でヘッジファンドに投資するんならシンプルに株式投資をした方が運用成果もいいし、わかりやすいからです。
じゃーなんでヘッジファンドの運用成果が思うように上がらないのかを考えてみたいと思います。
考えられることは2つあります。
※文章ばっかりで長くなるので興味がある人は頑張ってついてきてください
1つ目が前回ブログ(投資と野球は違う!!)で書いたことと全く同じ理由で、”買いチャンスまで待つことができない”からです。
短期間で成果を上げようと思ったら、投資金額が大きいほうが手っ取り早いです。
本来なら株価が大きく下がったタイミングで投資をした方が大きく儲かりますが、短期間で成果を出そうと思って投資できる資金のほとんどを投資に回しているので、下がったタイミングで買いにいける資金がないんです。
出典:時事通信社
今のソフトバンクがまさしくその状況に陥っていると思います。
10兆円ファンドの資金を一気に使っているのでこの下がった状況下で安く買えるチャンスなのに資金がなくて投資できていません。
それどころか過度な借金をして会社(ソフトバンクG)を運営しているので本来なら売却する必要がないアリババ株や子会社のソフトバンク株を安値で売却するハメになっています。
投資がうまいとされている孫正義氏までもがこういうことに陥ってしますので、私たちはより気を付けないといけないです。
2つ目が運用担当者の給料はどう決まっているのかです。
これはピンとこないかもしれないですけど、すごく大事なことです。
運用担当者の給料は半期か年度の運用成績次第で大きく変わってきます。
当然運用成績が著しく良かったらびっくりするような給料(ボーナス)がもらえますし、逆に運用成績がどうしようもなく悪かったら投資家の解約が相次いでクビになる可能性があります。
運用担当者の気持ち(立場)になって考えると、評価期間中(長くて1年未満)に効率よく大きな成果を出そうと思ったら、まずは投資金額を大きくして、次に奇をてらった投資行動に出やすくなるのがわかると思います。
成功したら多額のボーナスがもらえるので
このことを考えても、”投資には見逃し三振がない”というルールを忘れています。
さらに短期間で大きく利益を出そうと思って奇をてらって値動きが激しい商品に投資をするか、過度なレバレッジ(てこの原理:担保金額の数倍の金額で取引できる)を効かせて投資するしかなくなります。
こういう取引は運良く儲かっても再現性が乏しいです。
しかも失敗したときの損失が多額になります!
皮肉なことに運用成績が悪くてクビになったとしても運用担当者は全く困らないんです。
失敗したからと言って実際自分のお金が損するわけではないし、また違うヘッジファンドで運用すればいいだけなので。
運用が失敗してクビになったのに本当にまた違うヘッジファンドで運用できるのか?と疑問になるかもしれないので実例を出します…
上記しているノーベル経済学賞者やFRB元副議長らが率いていたLTCMのことです。
LTCMはソロモンブラザーズで債券トレーダーをしていたメリウェザーの発案で1994年に設立しました。最初の2.3年は非常にうまく運用できていましたが、1998年のロシア金融危機の影響で破綻しました。
メリウェザーは1999年に新たにヘッジファンド・JWMパートナーズを立ち上げて運営することになりました。が、2008のリーマンショックの影響で大損害を受けてまたしてもヘッジファンドを閉鎖するハメになります。
話はまだ続きがあって、今は3度目のヘッジファンドとなるJMアドバイザーズを2010年に立ち上げて運営しています。
失敗してもまた再起できる環境があることは非常にいいことですが、金融危機が来るたびに失敗してヘッジファンドを解散しているのを繰り返している現実を見ると、やっぱり過度なレバレッジを効かせて、うまくいったときは多額の報酬をもらい、失敗したら解散してまた新しく始める…学習せずこんなことを繰り返しているのでヘッジファンドの運用成績には再現性がないんだと思います。