公的年金運用:3兆7501億円の損失
#642
こんにちは、チャーリーです!
公的年金である国民年金・厚生年金の積立金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2022年4月-6月期の運用実績を発表しました。
結果は「3兆7501億円の損失」でした。
この結果を見て
「将来もらえる年金が減る」
「リスク商品で年金運用すること自体が間違い」
「運用で増えなくてもいいので減らさないでくれ」
と思う人がいるかもしれませんが、全く問題ありません。
それは制度面でも運用面でも問題ありません。
制度面は今回は詳細は割愛します。
簡単に言うと、「年金給付金の財源の10%しか運用していない」です。
しかも、この積立金は2074年度まで取り崩す必要のない財源なんです。
あと52年くらいは取り崩さなくてもいいので、今後52年間という本当の長期運用ができる資金なので大丈夫!
運用面
2つの側面から運用面も問題ないと言えます。
1つ目
2001年4月からGPIFの運用が開始しましたが、2001年4月~2022年6月末までの累計の運用収益が「101兆6787億円の利益」になっていること。
2つ目
年間のインカムゲインだけでも十分カバーできる損失範囲ということ。
※ インカムゲインとは、株式や債券を保有中に得られる配当金・利金なのどの収益のことです。
GPIFのインカムゲインの推移を見てください。
2006年までしか遡れませんでした。
2021年度だと3兆1983億円のインカムゲインがありました。
ただ、保有しているだけでもらえる金額です。
2001年4月からの累計のインカムゲインは「44兆5969億円」です!
インカムゲインが年々増加基調になっていっています。
年ごとに多少デコボコしているのは、たぶん為替の影響だと思われます。
2022年4-6月は大きく円安に振れたのでたった3ヵ月間で1兆2446億円もインカムゲインがあったことを考えると為替の影響だと思います。
年々増加傾向にあるのは、配当金とか利金を受け取ったら再投資しているので株数が増えるので、その株数が増えた分、配当金が多く受け取れるので年々増加傾向にあるんだと思います。
制度面のところでも書きましたが、GPIFの想定では2074年までは取り崩さなくても大丈夫なので、今後の52年間もインカムゲインは再投資する分、増え続けていきます。
※ 当然値上がりも十分期待できます。
安泰そのものです!
整理すると…
公的年金を運用しているGPIFが2022年4-6月で3兆7501億円の損失を出してしまいましたが、全くもって問題ないです。
今回調べて改めて感じたことは、2074年まで取り崩す必要がないお金で長期運用をしたら勝ち確定のゲームをしているようなものです。
今後52年間も長期運用ができるので、リーマンショックがもう1回きても、どんなバブルが崩壊しても、どんな経済環境が訪れようが、それをカバーできるだけの時間があるので本当に年金運用は安泰だなと思いました。
個人名義で52年間運用するのはなかなか難しいですが、法人名義ではこういうことができるので是非参考にした方がいいと思います。