ファンドラップの運用って儲かるの??

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こんにちは、チャーリーです!
金融機関が力を入れている商品は「ファンドラップ」です!
本当に猫も杓子もファンドラップって感じになってきています。
画像引用元:金融庁作成の「資産運用業高度化プログレスレポート2021」
ファンドラップとは
お客さまに投資に関するアンケートを答えていただいて、リスク許容度・期待リターン・運用期間・投資目的などから運用スタイルを決めて、その運用スタイル(運用コース)に基づいてプロが一任勘定で運用するという商品です。
※ 一任勘定とは、事前に売買の一任を受けて、売買の都度、顧客の了承を得ずに取引をすること。
最初に書いておきますが、私自身はファンドラップは全くオススメしていません。
ファンドラップと聞いたら逃げた方がいいと思っているくらいです。
このファンドラップはブラックボックス化していて運用成績がオープンにされていないので、良いのか悪いのかの判断がしづらいんですが、りそな銀行が運用実績を開示していたので見てみたいと思います。
以下の図はすべてりそな銀行作成の資料から抜粋したものです。
りそな銀行作成の資料はこちら
まずはりそな銀行が運用しているファンドラップの残高推移から見ていきます。
横浜銀行などの代理店が販売した残高も含めると、6300億円まで積み上がっています。
なんでここまで順調に残高が積み上がっているのかというと、ほぼ全員が儲かっているからなんです!
99%の顧客が運用損益がプラスになっているので、販売する側も購入する側も手掛けやすいんだと思います。
それでは本題の実際の運用パフォーマンスをコース別に見ていきます。
※ 2017年2月15日が基準日になっています。
リスク・期待リターンが低い順に載せます。
慎重型
やや慎重型
バランス型
やや積極型
積極型
上記の99%の顧客がプラス運用になっているように、確かに全てのコースで2017年2月15日基準だとプラス運用になっていることがわかります。
しかも、コロナ前の水準(2020年2月)と比べても全てのコースでプラスになっています!
じゃーなんでチャーリーがファンドラップをオススメしないのかというと、金融庁が痛烈批判しているようにファンドラップはコストが高いからです!
「コストが高い=運用パフォーマンスが落ちる」
金融庁がファンドラップをどう批判しているのかというと、「今のファンドラップは顧客本位の商品性ではなく、バランス型ファンドの方が商品的に優れている」と言っています。
このことは2021年6月25日に金融庁が発表した「資産運用業高度化プログレスレポート2021」に書いてあります。
「資産運用業高度化プログレスレポート2021」はこちら
実際にバランス型ファンドと比較してみます。
比較対象にするバランス型ファンドは三菱UFJ国際投信が運用している「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」です。
※ 基準日は2017年5月9日
基準日が約3ヵ月違うので単純比較はできないですが、ファンドラップのどのコースと比べても、このバランス型ファンドの方が運用がいいです。
具体的には
・ファンドラップ(一番リターンが高い積極型で比較します)
実績リターン:6.9%(年率)
・バランス型ファンド
実績リターン:7.05%(年率)
ファンドラップの具体的な資産配分はわかりませんが、積極型ということは間違いなく外国株式を含む株式の運用比率が高いはずです。
それにも関わらず、バランス型ファンドの運用利回りに劣っています。
この差は明らかに「コストの差」です!!
整理すると…
いくらファンドラップが世の中で流行ったとしても、金融庁が批判している通り、今のコストのままだとファンドラップは金融機関本位の商品であり、顧客本位の商品ではありません。
99%の顧客が儲かっているりそな銀行のファンドラップでさえ、コストが安いバランス型ファンドに劣ってしまうんです。
ファンドラップという言葉を聞いたら気を付けましょう!