フードデリバリー市場について
#305
こんにちは、チャーリーです!
最近ウーバーイーツの配達員をよく目にすると思います。実際、私自身フードデリバリーサービス(出前)を利用したことは2回しかありませんが、世界的にフードデリバリーを利用する人が増えていることは確かだと思います。
日本でのフードデリバリーサービスの利用額の推移を見てみます。
下記のグラフはICT総研が2021年4月5日に発表した「2021年フードデリバリーサービス利用動向調査」の内容です。
引用元:ICT総研
フードデリバリーサービスは年々伸びており、今後も市場規模が拡大することが予想されています。
次にICT総研が2021年2月に実施したwebアンケート調査で、「どこのフードデリバリーサービスを利用しているのか??」を聞いた結果を見てみます。
※ 3,604名のwebアンケート結果です。
引用元:ICT総研
このwebアンケート調査の結果だと僅差ですが、出前館が一番利用されていることがわかります。
そこで今回のブログでは、一番利用されている出前館について調べてみたいと思います。
出前館が2021年6月25日に2021年度第3四半期決算を発表したので、業績を調べてみます。
以下の表はすべて出前館の決算短信から数字を拾って作成しています。
決算短信はこちら
出前館は8月決算
1Q:9月~11月、2Q:12月~2月、3Q:3月~5月、4Q:6月~8月
売上高
やっぱりフードデリバリーサービス市場自体が年々拡大しているので、当然売上高も伸び続けています。
営業利益
!?
赤字??
純利益
!??
営業利益と純利益は月日が経つにつれて、どんどん赤字額が拡大しています。
なぜどんどん赤字が拡大しているのかというと…
販管費がどんどん膨らんでいっているからです!
例えば
・人件費(配達員・本社社員などの人件費)
2020年度第3四半期:11億6700万円
2021年度第3四半期:26億600万円
→2.23倍に増えている
・宣伝広告費
2020年度第3四半期:10億4200万円
2021年度第3四半期:35億700万円
→3.36倍に増えている
・リース料、家賃などのその他費用
2020年度第3四半期:6億2700万円
2021年度第3四半期:20億8300万円
→3.32倍に増えている
株式投資の観点でこのことから何が言えるかというと…
「市場拡大と株価は連動しない」
短期的には株価は上昇することはあるかもしれませんが、赤字額が拡大している企業の株価は長い目で見ると上がりません!
それは、「株価は利益と連動する」からです!!
※ 厳密にいうとEPS(1株あたりの利益)と連動します。
このことは過去ブログ(なぜEPS(1株あたりの利益)気にしないといけないのか??)を参照していただければよくわかると思います。
整理すると…
今回取り上げた事例は、誰しもが引っかかる落とし穴だと思います!
市場が拡大すれば、関連企業の株価も上がるだろうと考える人が多いと思います。このことは、フードデリバリーサービス市場だけに言えることではありません。
電気自動車市場、AI市場、3Dプリンタ市場などすべての市場(業界)に言えることです。
こういう落とし穴があることを事前にわかっている投資家とわかっていない投資家とでは、運用成果に大きな差が生まれてしまうので注意してください。