2022年12月のFOMC
#733
こんにちは、チャーリーです!
2022年12月14日に全世界の投資家が気にしていたFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されました。
※ FOMCで金融政策をどう運営していくのかを話し合います。
12月のFOMCで「0.5%の利上げ」が決定しました。
0.5%利上げを行うことでFFレート(政策金利)の誘導目標が4.25%−4.50%になりました。
大方の予想通りといった感じです。
FFレート(政策金利)の過去の推移はこんな感じです。
画像引用元:REUTERS
でも大事なことは昨日のブログ(2022年11月:米消費者物価指数(CPI))の一番最後に書きましたが、FOMCメンバーによる経済予測です。
FOMCメンバーによる経済予測は3ヵ月に1度ずつFOMC終了後に公表されます。
市場関係者が一番気になるFFレート(政策金利)をどこまで引き上げた方がいいと考えているのかを見ていきます。
以下の数値はすべて中央値で表記されています。
FFレート(政策金利)予測
2023年:5.1%
2024年:4.1%
2025年:3.1%
5.1%が中央値ということはどういうことかというと…
今回の0.5%の利上げでFFレート(政策金利)の誘導目標が4.25%−4.50%になったんです。
誘導目標の上限が4.50%なので、あと0.51%利上げを行う必要があると考えているということです。
中央値表記なのであと0.51%の利上げが必要ということになりますが、実際は0.25%幅でしか利上げができないので、0.25%の利上げをあと2回行うということになります。
これは市場関係者が予測していたよりもFFレート(政策金利)が高くなることを意味しています。
なぜFOMCメンバーがあと0.51%も利上げを行わないといけないと考えているのかというのは、以前のブログで書いた通り、FRBのパウエル議長の発言を思い出せば理解できると思います。
2022年9月でのパウエル議長の発言
「金利上昇や経済成長の鈍化、労働市場の減速はすべての国民にとって痛みを伴う。だがそれは物価の安定を取り戻すことに失敗するほどの痛みではない」
これは、物価の安定を取り戻すためには経済が減速しようが失業率が悪化しようが利上げを行うということです。
実際問題として失業率は今後悪化していくと予測しています。
失業率予測
2023年:4.6%
2024年:4.6%
2025年:4.5%
2022年11月の失業率が3.7%なので、かなり悪化すると予測されています。
くどいようですが、この予測はFOMCメンバーが予測しています。
アメリカは失業率4.0%が完全雇用の目安と言われているので、完全雇用状態でもなくなってしまいます。
これだけ聞くとアメリカ経済に対して不安になる人も出てくると思います。
最後に実質GDP成長率の予測を見てください。
2023年:0.5%
2024年:1.6%
2025年:1.8%
2023年も0.5%だけかもしれませんが、経済成長すると予測されているので過度に心配しなくてもいいと思います。
整理すると…
2023年も引き続き利上げを行うことによって失業率が3.7%(2022年)→4.6%まで悪化します。
これは物価の安定を最優先に考えると痛みが伴うことなので仕方がないことです。
でも悲観的になる必要はないです。
それは実質GDP成長率はたった0.5%かもしれませんが、プラス成長すると予測されているからです。
実質GDP成長率は「実質」とついているので、物価上昇を差し引いたとしても経済成長するということなので、FOMCメンバーが予測しているようにアメリカ経済の力強さを信じて不安にならないようにしましょう。