ESG投資はどうなってしまうのか…

#690
こんにちは、チャーリーです!
「グラスゴー金融同盟」って知っていますか??
って私は今回初めて目にした言葉です…汗
「グラスゴー金融同盟」とは
カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ・ネットゼロ)を目指す金融機関の有志連合のことです。2021年に発足しました。
融資先や投資先に脱炭素を促している組織です。
ESG(環境・社会性・企業統治)投資が直近でブームになったのは2020年からです。
100%私の想像ですが、2020年にコロナが世界的に大流行したことで主要国の中央銀行が量的緩和を行ったことで世界の投資マネーがジャブジャブに増えました。
その受け皿として金融機関がプロパガンダしたのがESG(環境・社会性・企業統治)投資だったように思います。
※ 私の100%妄想ですが…
2020年は世界的にもESG投資が急拡大したし、日本でもESG投資がブームになりました。
その証拠に「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド【愛称:未来の世界(ESG)】」の純資産残高が1兆円を超えました。
→ 1兆円ファンドは超大型ファンドと位置付けされています。
ただ、この世界的なESG投資の流れが変わりつつあるんです。
冒頭に書いた融資先や投資先に脱炭素を促している「グラスゴー金融同盟」を脱退した金融機関が出てました。
既に脱退した金融機関は以下の2社です。
・オーストラリアの建設業界の年金基金シーバススーパー
・オーストリアの連邦年金ブンデスペンシオンスカッセ
この2つの年金運用額は数十億~数百億ドルなので少額ですが、この脱退は無視したらいけません。
この2つの年金基金の脱退を契機に脱退を示唆している金融機関が出てきたからです。
「グラスゴー金融同盟」脱却を示唆した金融機関
モルガン・スタンレー
JPモルガン
バンク・オブ・アメリカ
「グラスゴー金融同盟」を脱退したり、脱退を示唆している理由は大きく分けて2つあります。
・融資、投資の基準が厳しくなっていること
・投資しても投資収益が悪化していること
→ 当初目論見よりも投資収益が見込めないこと
投資収益が悪化しているのは調べたらすぐわかります。
「ESG指数」と「S&P500」と「全世界株式」の推移を比較してみます。
「ESG指数」はバンガードESG米国株式ETF(ESGV)のこと。
「全世界株式」はバンガード・トータルワールド株式インデックスのこと。
まずはESG投資がブームになった2020年からの比較です。
2020年1月2日~2022年10月7日
・ESG指数
57.06ドル→ 63.56ドル
騰落率:11.39%上昇
・S&P500
3,257.85ドル→ 3,639.66ドル
騰落率:11.71%上昇
・全世界株式
81.81ドル→ 80.25ドル
騰落率:1.90%下落
次に2021年からの比較
2021年1月4日~2022年10月7日
・ESG指数
69.30ドルドル→ 63.56ドル
騰落率:8.28%下落
・S&P500
3,700.65ドル→ 3,639.66ドル
騰落率:1.64%下落
・全世界株式
92.05ドル→ 80.25ドル
騰落率:12.81%下落
最後に2022年からの比較
2022年1月3日~2022年10月7日
・ESG指数
88.30ドル→ 63.56ドル
騰落率:28.01%下落
・S&P500
4,796.56ドル→ 3,639.66ドル
騰落率:24.11%下落
・全世界株式
108.05ドル→ 80.25ドル
騰落率:25.72%
こうやって比べて見るとよくわかります。
アメリカ株の市場平均であるS&P500に劣っています。
今年に入ってからでいうと、全世界株式よりも下落率が大きいです。
このように投資収益が悪化してきているので「グラスゴー金融同盟」を脱退したり、脱退を示唆する金融機関が出てきたんです。
最後に最初の辺に書いた1兆円ファンドになった「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド【愛称:未来の世界(ESG)】」がどうなっているのかを見て終わりにします。
当該ファンドが設定された2020年7月20日~2022年10月11日の比較
この比較チャートのS&P500は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を採用しています。
説明するまでもありません。
2020年7月20日の為替が107.24円だったので、為替だけでも35.2%値上がっているはずなのに、当該ファンドの2022年10月11日の基準価格は設定時10,000円だったものが9,272円になっています。
説明するまでもないと思います。
整理すると…
投資の世界では少しずつESG(環境・社会性・企業統治)からお金の流れが変わりつつあります。
それはお金を出資しても投資収益が悪化しているからです。
特に環境部門が。
結局は典型的なテーマ型投資であり、旬が過ぎれば投資収益が悪化していくいつものパターンです。
だからこそ変わる確率が極めて低いコストコ・S&Pグローバル・ビザなど永続的競争優位性を持った企業に投資しないといけないんです。