ちょっと待って…ESG商品の販売に力を入れます!??

#448
りそな銀行などを傘下に持つりそなHDが2030年度までにESG型投資商品を3兆円販売すると発表しました。
投資を通じて社会課題の解決を目指すインパクト型の投資信託を投入して販売に力を入れるみたいです。
ESG型投資商品とは
環境(Environment)
社会(Social)
ガバナンス(Governance)
に力を入れている企業に投資をしている運用商品のことです。
りそなHDとしての企業戦略は賛同しますが、ESG型投資商品の販売に力を入れていくというのが“吉と出るか凶と出るか”が本当に微妙なので、今回はそのことについて調べてみたいと思います。
凶に出る確率の方が高いと思ってます…
まずは人気のESG関連ファンドを調べてみます。
「人気=純資産残高が多い」と仮定しています。
ちなみにチャーリー調べです。
今回のブログはりそなHDの発表をきっかけに書こうと思ったので、りそな銀行で一番販売額が多いESG関連ファンドも載せています。
グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンドが圧倒的にダントツで純資産残高が多いです。
純資産残高2位と10倍以上の差があります。
以前のブログでも載せたことがありますが、純資産残高が断トツ1位の世界ESGハイクオリティ成長株式ファンドとS&P500を比較してみます。
1年4ヵ月の比較だと市場平均であるS&P500の方が上昇率が明らかに高いです!
次に上記した純資産残高が多い、ESG関連ファンドもS&P500と比較してみます。
6銘柄中3銘柄がS&P500を上回っています。
ちょうど半々です。
ESG関連ファンドはテーマ型ファンドです!
個人的にはテーマ型ファンドには手を出さない方がいいと思います。
その理由は
・テーマは流行りであり、旬があるので、いつかは流行り・旬は過ぎ去る。
・そのテーマの範囲内でしか投資できないので、割高・バブルだとわかっていても、そのテーマに投資し続けないといけない。
こういう理由があるのでオススメはしません。
実際、過去に流行ったテーマ型ファンドは悲惨な結末を迎えています。
ここ最近で言えば、アーク・インベストメント・マネジメントが運営しているアークイノベーションETFがまさしく、このテーマ型ファンドに該当すると思います。
他にも例を出すと、2013年に投資の世界で大流行した「シェール革命」関連ファンドも典型的なテーマ型ファンドです。
言うまでもなく、2013年に投資した人は最初は調子よく上がりましたが、今となっては8年も経ったのに、いまだに投資元本を下回っています。
整理すると…
りそなHDが発表したESGに力を入れますという経営戦略は社会的には称賛されるべきだと思いますが、それを投資商品にまで手を伸ばしてしまうと痛い目に合う確率が高くなります。
痛い目に合うのは当然、投資家です!
ESGとかSDGsとか営業員から言われると、耳心地が良いのでついつい買ってしまい勝ちですが、そこは冷静に判断しましょう。