2022年5月の米雇用統計
#584
こんにちは、チャーリーです!
2022年6月3日にアメリカの5月の雇用統計が発表されました。
雇用統計とは、失業率・就業者数などが発表されるので注目度が高い指標の1つです。
注目度が高い理由は「雇用状況=景気動向」という側面よりも、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)が利上げをどうするかの判断材料の1つになっているからです。
※ FRBの使命は「物価上昇の安定化」と「雇用の最大化」
雇用統計は毎月第一金曜日に米労働省労働統計局が発表しています。
さっそく発表された内容を見ていきたいと思います。
・就業者数(非農業部門):前月比39万人増加
・失業率:3.6%(前月と変わらず)
これだけだとよくわからないのでコロナ流行前からの推移を調べてみます。
以下の表はすべて米労働省労働統計局が公表しているデータから作成しています。
米労働省労働統計局はこちら
非農業部門の就業者数
コロナ前の就業者数までほぼ回復しています。
人数ベースだとあと82万人就業者数が増えればコロナ前のピークまで就業者数が回復することになります。
このペースで就業者数が増えてくると、あと2ヶ月後か3か月後にはコロナ前のピークを超えてくる可能性が高いです。
次は失業率
2022年5月の失業率は3.6%でした。
コロナ前の2020年2月の失業率が3.5%でした。
アメリカの完全雇用の目安が4.0%と言われているので、2021年12月から失業率が4.0%以下になっているので、雇用状態は良好といえます!
完全雇用とは…
賃金水準や労働環境に不満があって転職する人が一時的に失業することを除いて、労働意思と能力がある人がすべて働いている状態のこと。
労働意思がある人が全員働けたとしても、転職活動する人がいるので失業率が0%になることはないんです。
もう少し詳細に就業者数を調べてみます。
一番就業者の戻りが遅い業種である「レジャー・ホスピタリティ業」がどうなっているのかが気になります。
※ ホスピタリティ業とはホテル(宿泊施設)やフードサービスなどのことです。
やっぱりまだこの業種はまだまだ働く人が戻ってきていないことがわかりました。
人数ベースではコロナ前のピークまでは134.5万人の乖離があります。
ただ、表を見ると緩やかですが回復していることはたしかです。
世界的に旅行者が増えつつあるので、こういう業界も遠くない未来では雇用はコロナ前のピークを越してくる可能性が高いと思います。
クレジットカードのビザの業績を見ると、クロスボーダー取引(国際取引)が増えているので旅行者が増えている証拠だと言えます。
クロスボーダー取引(国際取引)とは…
クレジットカードを発行した国以外の国で決済を行うこと
整理すると…
業種問わずの就業者数はコロナ前のピークまでもう少しのところまで回復してきています。
今までは就業者の回復が鈍かったレジャー・ホスピタリティ業も旅行・観光が再開したので過度に心配しなくてもいいと思います。
悪いニュースばかりが目に入ってきやすいですが、アメリカ経済は着実と回復・成長しているので変に弱気にならないようにしましょう!