半導体の王者は誰がなるのか…

#117

こんにちは、チャーリーです!

コロナウイルスの影響で世界的にリモートワークの流れが一気に加速しました。リモートワークを行うためには半導体デバイスの活用が不可欠になってきます。

 

この流れを受けて半導体業界が文字通り大きく動き始めました。

M&A(合併・買収)が活発化してきたんです。

実際にはコロナウイルス、5G、AI(人工知能)、ファーウェイ排除の動きが相まって半導体業界のM&Aが加速しています。

 

M&Aの金額は過去最高だった2015年を超えるペース

引用:日本経済新聞(2020年10月31日朝刊11面)

 

2015年は当時としては「半導体市場最大の買収劇」として話題となったシンガポールのアバゴテクノロジーによる米ブロードコム買収が最大規模です。金額は370億ドル(約3兆8900億円)

しかも、この買収は半導体売上高ランキングで見ると11位のアバゴテクノロジー(68.9億ドル)が9位の旧ブロードコム(84.1億ドル)を買収する「小が大を買収する」異例の買収でした。

※ まさしく山崎豊子著の“華麗なる一族”に出てきた「小が大を喰う合併」です。

 

ちなみになぜ旧ブロードコムと書いたかと言うと、アバゴテクノロジーがブロードコムを買収したにも関わらず、社名をアバゴとせず、ブロードコムに社名変更しているため。

 

 

話を2020年に戻すと、今年の半導体メーカーによるM&Aは以下の通りです。

引用:日本経済新聞(2020年10月31日朝刊11面)

 

上記のM&Aは当事者間で合意していますが、それだけでは買収は完了しません。

各国の当局が買収を承認しないと正式には買収できないんです。

 

過去の当局が買収を認めなかった事例

2016年10月

米クアルコムがオランダのNXPセミコンダクターを470億ドル(約4兆9500億円)で世界最高額で買収すると発表。

※ 中国当局からの承認を得られず、合併自体がキャンセルになった。

 

2017年11月

米ブロードコムが米クアルコムを1300億ドル(約13兆6500億円)で買収すると発表。1300億ドルとわけのわからない買収金額に加えて、この買収も「小が大を買収」する案件でした。

上記している通り、旧アバゴテクノロジー(現:ブロードコム)の得意技である「小が大を買収」を再度行った。同じホックE.タンCEOです。

※ この買収はトランプ大統領が「国家安全保障上の観点から買収を禁止する」という大統領令を出して承認しなかった

 

 

買収を発表しても各国の当局が承認しないケースがあるので、今年発表されている買収も正式に完了するかどうかは不透明です。

しかも今は、米中貿易戦争の影響で各国がすんなり承認するとは思えない…

トランプ大統領の力業で進めていたTikTok買収劇さえもうまくいっていないことを考えるとなおさら…

 

 

整理すると…

タイトルで書いた「半導体王者は誰がなるのか?」については、今のところはわからないです。買収は正式に完了した企業が王者に一歩近づくというイメージだと思います。

ただ言えることは、今後のIT業界の世界覇権を握れるかどうかは半導体にかかっていると思います。半導体メーカーのM&Aは今後も注視していく必要があると思います。

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