欧州中央銀行(ECB)がテーパリング開始!?

#377

こんにちは、チャーリーです!

2021年9月9日に開催された欧州中央銀行(ECB)の政策理事会で見逃せないことが決定されました。

それは、PEPPと言われている新型コロナウイルス危機対応として設定していた総額1兆8500億ユーロ(約240兆円)の緊急買取制度について、債券購入のペースを縮小することを決定したんです。

 

この債券購入ペースを縮小することについてECB総裁のラガルド総裁は「テーパリングではない」と明言しました。

私は最初にこのニュースを見た時に「ラガルド総裁は何わけのわからないこと言ってんだ。どう考えてもテーパリングだろ」と思いました。

ただ、よくよく調べると本当にテーパリングではなさそうなんです!

 

 

どういうことかというと…

アメリカのFRBが行っている量的緩和(債券などを大量に買い取る)の方法とECBが今回縮小を決定した緊急買取制度(PEPP)は買取方法が違うんです。

 

アメリカの場合

毎月1200億ドル規模で債券を買い取っている。

→毎月一定額を買い取っている。

欧州の場合(緊急買取制度:PEPP)

2022年3月までに総額で1兆8500億ユーロ分の債券を買い取る。

→毎月一定額を買い取らなくてもいい。

 

 

この両者の違いを抑えて考えるとすぐ理解できました。

欧州中央銀行(ECB)の直近半年間の1ヶ月当たりの債券買取額の平均が月間800億ユーロでした。

ただ、総額1兆8500億ユーロに対する残りの枠を2022年3月までの残りの期間で割ると、月間600億~700億ユーロしか買い取ることができず、直近半年間の平均である月間800億ユーロを維持できないんです。

 

 

欧州中央銀行(ECB)の政策で気にしないといけないのは、PEPPと言わるコロナの危機対応の緊急買取制度ではなく、従来からある資産購入プログラム(APP)です!

緊急買取制度:PEPP

従来からある資産購入プログラム:APP

 

2つあるのでややこしいですよね…汗

従来からあるAPPはアメリカのFRBと同様、毎月一定額の債券を買い取る制度です。

→ 毎月200億ユーロ(約2兆5940億円)分買い取っています。

 

欧州中央銀行(ECB)の政策運営でこれから注目すべき点は、2022年3月に緊急買取制度(PEPP)が終了するときに「今は毎月200億ユーロを買い付けている金額を増額するのか??」、もしくは「緊急買取制度(PEPP)の時みたいに、新たに買い付け総額の枠を作って買取金額を総額ベースで増やすのか??」です。

 

一番最悪なパターンは「何もせず毎月200億ユーロの買取だけを継続すること」です。

まだ先の話なのでラガルド総裁はそのことについて全く触れていません。

世界の主要中央銀行の政策運営次第で株式相場が大きく変貌するので、気にしておいてください。

 

 

整理すると…

今回の欧州中央銀行(ECB)が決定した内容は、一見するとテーパリングと思えなくもないですが、全くネガティブに捉える必要はなさそうです。

テーパリングについては世界の投資家が一番気にしていることなので、今後も引き続き注目していきたいと思います。

2

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です