えっ? FRBが資金供給を縮小する!?
#134
こんにちは、チャーリーです!
2020年11月22日の日経新聞朝刊3面に一見びっくりする記事が載っていたので紹介します。
FRB(アメリカの中央銀行)がコロナ対策として行っていた資金供給策を12月31日に迎える期限で資金供給を打ち切ることを決定しました。
FRB的には制度の延長を求めていましたが、トランプ政権がそれを認めなかったために打ち切りが決定したんです。しかもトランプ政権はFRBに対して未使用の資金を返還するように要請までしています。
当然、バイデン氏は猛反発しています。
今回コロナ対策として設けられていた資金供給制度の打ち切りになるのは以下の3つです。
・中小企業向け融資
・社債、資産担保証券の購入・資金供給
・州、地方債の購入
繰り返しますが、FRBは制度延長を求めているんです。
それをなぜトランプ政権は無理矢理打ち切ったのか?しかも今一番苦しんでいる中小企業向け融資までも…
これを額面通り見たらトランプ政権は頭がおかしいとしか思えないんですが、実はちゃんとした理由があるんです。
その理由とは、「この制度自体が全くと言っていいほど利用されていなかった」からです!
具体的には以下の通りです。
たしかにこの利用状況を見たら打ち切って、未使用金を回収して、すでに期限が過ぎている失業給付金などに財源を回した方が賢明だと思います。
全くと言っていいほど使われていません。
そもそもコロナからまだ立ち直れていない状況にも関わらず、なぜこの制度が利用されないかというと…
・中小企業向け融資は、融資条件が厳しすぎて利用が敬遠された。
・社債や州・地方債も金利状況が落ち着いているので、わざわざFRBが資金供給する必要性がない
このこととは別にFRBはリーマンショック後の2008年11月~2014年10月(QE1~QE3の合計期間)まで行っていた量的緩和策をコロナ後の2020年3月に復活させています。
米国国債を月800億ドル(約8兆4000億円)、MBS(住宅ローン担保証券)を月400億ドル(約4兆2000億円)のペースで買い付けています。
この量的緩和策は株価を見る限りでは大成功しています!
FRBはこのうまくいっている量的緩和策を拡大しようと検討しています。
※ 買付金額を増やすということ
整理すると…
序盤いろいろ書きましたが、一番注目しないといけないことは量的緩和策です!
FRBだけではなく、日銀もECB(欧州中央銀行)も量的緩和策を行っています。この量的緩和策を続けている限り、世の中に投資マネーが常に供給されているので株式市場に対しては強気で臨んでもいいです。
この政策の出口戦略が話し合われたり、テーパリング(買付金額を徐々に減らしていくこと)が行われ始めたら本当に要注意なので、今後もFRBの動きに注目していきたいと思います。