ライバル会社比較シリーズ:S&Pグローバルとムーディーズ

#379

こんにちは、チャーリーです!

久しぶりにライバル会社比較シリーズを復活させてみました。

これも私がずっと気になっている業界・企業だったので、いろんな角度から比較をしていきたいと思います。

 

それは、「S&Pグローバル」「ムーディーズ」です!

信用格付け会社の大手2社です。

 

まずは、株価比較からしていきます。

    

比較チャートが2004年までしかうまく表示できなかったので中途半端な時期からの比較になりましたが、値動きはほぼ同じと言ってもいいと思います。

 

2004年1月2日基準

S&Pグローバル: 12.97倍(2004年1月 35.00ドル→2021年9月16日 454.05ドル)

ムーディーズ: 12.56倍(2004年1月 30.26ドル→2021年9月16日 380.33ドル)

S&P500: 4.02倍(2004年1月 1111.92ドル→2021年9月16日 4473.76ドル)

 

比較チャートはうまく表示できませんでしたが、一番古くまで遡れるのは1998年なので1998年からだと以下の通りです。

1998年1月2日基準

S&Pグローバル: 24.70倍(1998年1月 18.38ドル→2021年9月16日 454.05ドル)

ムーディーズ: 23.95倍(1998年1月 15.88ドル→2021年9月16日 380.33ドル)

S&P500: 4.61倍(1998年1月 970.43ドル→2021年9月16日 4473.76ドル)

 

 

次は業績面で比較してみます。

比較するのは2021年第2四半期決算の内容です。

 

以下の表はすべて各社の四半期報告書から数字を拾って作成しています。

S&Pグローバルの四半期報告書はこちら

ムーディーズの四半期報告書はこちら

 

売上高の内訳

 

2社とも青色の部分が信用格付け部門の売上高です。

S&Pグローバルの方が信用格付け部門の売上高が多いのがわかります。

また、ムーディーズと比べてS&Pグローバルの方が事業内容が多岐に渡っています。

※ 個々の事業内容の説明は今回は割愛します。

 

 

次は営業利益の比較です。

両社ともに言えるのが、利益率がメチャクチャ高いです!

営業利益率

「営業利益」÷「売上高」=営業利益率

ムーディーズ: 51.57%

S&Pグローバル: 58.87%

※ 金融業界で営業利益率がトップクラスに高くても40%強です。

 

 

地域別の売上高も見てみます。

これは両社とも大きな差はないです。

本国のアメリカが50%以上を占めています。

 

 

キャッシュフローも比較してみます。

→ キャッシュフローの数値だけ半期分です。

S&Pグローバルの方が営業キャッシュフローが多いし、設備投資額も少ないです!

ただ、ムーディーズも他のアメリカ企業と比較するとビックリするくらい良い内容です。

 

 

両社ともキャッシュフローが豊富にあるということは、株主価値を上げるために株主還元を存分にできるということなので、配当金と自社株買いの状況を見ていきます。

連続増配年数

ムーディーズ:18年連続増配

S&Pグローバル: 48年連続増配

※ 19年前にムーディーズに何があったのかはわかりませんが、圧倒的にS&Pグローバルの方が長いです。

 

増配率

2000年の配当を基準にしています。

ムーディーズ: 28.75倍(2000年0.08ドル→2020年2.3ドル)

S&Pグローバル: 5.70倍(2000年0.47ドル→2020年2.68ドル)

 

 

最後に自社株買いの状況を調べてみます。

株数がどれくらい減っているかを調べていきます。

2000年の希薄化後の株数を基準にしています。

ムーディーズ: 41.93%減少(2000年3.260億株→2020年1.893億株)

S&Pグローバル: 38.26%減少(2000年3.9214億株→2020年2.4210億株)

※ 分割を考慮した株数です。

ムーディーズの方が自社株買いをしている割合が多いですが、五十歩百歩って感じです。

 

 

整理すると…

この信用格付け業界は新規参入の参入障壁が高いのでライバルが現れない業界なんです!S&Pグローバルとムーディーズの2社で正確なシェアはわかりませんが、8割程度を占めており事実上、業界を牛耳っています。

その2社を比較しても連続増配年数増配率以外は大きくは変わらなかったです。

ただ、個人的には投資するんなら事業が多角化できているS&Pグローバルの方がオススメできます。

万が一、信用格付け部門が大きく落ち込むことがあっても他の事業で補いやすいからです。

営業キャッシュフローも多く、設備投資も少ないというのもポイントです。

強いて言えば総合的に長期投資に向いているのがS&Pグローバルだと思いました。

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