2023年2月:米消費者物価指数(CPI)
#790
こんにちは、チャーリーです!
2023年3月14日に米労働省労働統計局が米消費者物価指数(CPI)を発表しました。
昨日のブログ(2023年2月の米雇用統計)でも書きましたが、今最も注目されている経済指標は「消費者物価指数(CPI)」と「雇用統計」です。
なんで注目されているのかというと…
FRBがインフレ退治のために利上げをどうするか決める時の主な物差しになっているからです。
雇用統計については昨日のブログを参照してほしいんですが、2023年1月は文句なしの絶好調でしたし、2月は堅調でした。
消費者物価指数(CPI)はどうだったんでしょうか??
結果を見る前に消費者物価指数(CPI)の発表を受けて株式市場がどう反応したかを確認したいと思います。
NYダウ:前日比1.06%上昇
S&P500:前日比1.65%上昇
ドル/円:前日比2.14%上昇
株価が上がったということは、消費者物価指数(CPI)が鈍化していたということです。
簡単に言うと、インフレが落ち着いてきているということです。
今回発表された内容は以下の通りです。
・総合指数は前年同月比:6.0%上昇
→ 市場予想の6.0%と同じ
・変動が激しい食品・エネルギーを除いたコア指数は前年同月比:5.5%上昇
→ 市場予想の5.5%と同じ
コロナ前の2019年からの推移を見てみます。
着実にインフレが鈍化してきているのがわかると思います。
総合指数だと2022年6月に前年同期比で+9.1%だったインフレ率が8ヶ月連続で鈍化してきています。
総合指数が+6.0%というのは2021年9月以来となるので、16ヶ月ぶりのインフレ率ということになります。
変動が激しい食品・エネルギーを除くコア指数で見ても、前年同期比+5.6%というのは2021年12月ぶりの水準まで落ち着いてきています。
・青色の総合指数は2022年6月のピークから8ヶ月連続で鈍化
・オレンジ色のコア指数は2022年9月のピークから5ヶ月連続で鈍化
すごく良い傾向です!
2023年2月の消費者物価指数(CPI)の中で下落に大きく貢献した項目は「天然ガス価格」と「燃料油価格」でした。
天然ガス価格の推移を見てください。
パッと見でもわかりますが、2022年8月にピークをつけてからは急落しています。
しかも、2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻する前の天然ガス価格よりも下がっています。
天然ガス価格は大きく下落していますが、消費者物価指数で見る「住宅費」はまだ依然として高止まりしています。
消費者物価指数で見る「住宅費」とあえて書いたのは、実際の住宅費は下落していますが、消費者物価指数に反映するまでに半年~1年くらいのタイムラグが生じてしまうからです。
ちなみに次のFOMC(連邦公開市場委員会)は3月21日22日に開催されます。
FOMCとは
金融政策をどう運営するのかを話し合う会合のことです。
整理すると…
アメリカの物価は着実に鈍化してきています。
これはFRBが不退転の気持ちで利上げを行ってインフレ退治をしているからです。
パウエル議長は常に市場を牽制しながら慎重に発言していますが、次回は0.25%の利上げの可能性が高いと思います。
パウエル議長が市場を牽制しないと利上げが終わりに近いと思われるだけでインフレが再燃しかねないから慎重に対応せざるを得ないんです。