アップルのキャッシュフロー

#936
こんにちは、チャーリーです!
前回のブログ(2024年 1月-3月期 決算発表:アップル)でアップルは自社株買いを大規模で行っていると書きました。
どれくらい大規模かというと…
日本の上場企業は3,938社あります。
その3,938社が2023年4月~2024年3月までに行った自社株買いの金額と比較したらわかりやすいです。
2023年4月~2024年3月までの自社株買いの金額
3,938社合計:10兆650億円
アップル:825億ドル(12兆3,750億円)
1ドル=150円で計算しています。
日本の上場企業3,938社の合計金額よりもアップル1社の方が1年間の自社株買いの金額が大きいんです。
しかも、アップルはこれからの1年間は自社株買いの規模をさらに大きくします。
その規模は
「1,100億ドル(16兆5,000億円)」です!
バケモノとしかいいようがありません。
そもそもアップルはなぜこんな規模で自社株買いができるんだと思いますか??
その答えは「フリーキャッシュフローが潤沢だから」です!
アップルのキャッシュフローを調べてみます。
緑色の棒グラフがフリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)です。
「営業CF」-「設備投資額」=フリーCF
この計算式で計算しています。
2023年度だとフリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)が995億8,400万ドルもあります。
1ドル=150円で計算すると、2023年度は14兆9,376億円もフリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)を生み出したことになります。
この995億8,400万ドル(14兆9,376億円)は文字通り、自由に使えるお金です。
アップルはこのフリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)を「自社株買い」や「増配」の原資に使っています。
ちなみに日本で一番自社株買いをしている企業はトヨタ自動車です。
トヨタ自動車のフリーキャッシュフローと自社株買いの規模は以下の通りです。
トヨタ自動車(2023年度)
フリーキャッシュフロー:2兆3,599億円
自社株買い:2,311億円
アップル(2023年度)
フリーキャッシュフロー:995億8,400万ドル(14兆9,376億円)
自社株買い:825億ドル(12兆3,750億円)
自社株買いの規模世界第2位規模で自社株買いをしている企業も調べてみます。
チャーリー調べですが、「アルファベット(グーグルの親会社)」が世界第2位の規模で自社株買いを行っています。
アルファベット(2023年度)
フリーキャッシュフロー:694億9,500万ドル(10兆4,243億円)
自社株買い:615億ドル(9兆2,250億円)
最後になんでアップルがこんなにフリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)が毎年生み出せるのかを書いて終わりにします。
それは「ファブレス企業」だからです!
ファブレス企業とは
…自社で工場を所有していない企業のこと
自社で工場を持っていないので設備投資に多額の資金が必要になりません。
設備投資額が少ないのでフリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)が潤沢に生み出せるんです。
これは堀が深い企業、永続的に競争優位性を持っている企業の特徴です。
整理すると…
前回のブログでも似たようなことを書きましたがアップルは表面だけしか見ないとアップルの良さ・凄さがわかりにくいですが、冷静に調べれば調べるほど凄まじい企業ということがわかります。
バフェットも今回の株主総会でアップル株を13%売却したことを明らかにしましたが、一方で30年以上も保有し続けている「コカ・コーラ」、「アメリカンエキスプレス」よりもアップルは優れた事業と称賛しました。