チャーリーの盲点
#676
こんにちは、チャーリーです!
今読んでいる本に改めて考えさせられることが書いてありました。
その本はこちらです。
ジョン・C・ボーグル【著】、井手正介【監訳】、みずほ年金研究所【訳】
著者であるジョン・ボーグル氏はバンガード社の創設者であり、インデックスファンド、インデックス投資の優位性を世界で初めて声を大にして唱えた人です。
声を大にしただけではなく、バンガード社でインデックスファンドを作り、インデックスファンドの優位性を実際に世の中に知らしめた人です。
この本に何が書いてあったかというと…
「(株価は)企業の価値創造(キャッシュフロー創出能力)に依存する」
???ってなっている人もいるかもしれません。
私のブログでは「長期的には企業利益と株価が連動する」と言い続けていたのに、急に「キャッシュフロー創出能力」って…
正直パニックになりますよね。
これは私も改めて気付いたことなんです!
私は毎年増益になっている企業に投資すべきと過去に散々書いてきました。
私はその時々によって、長期的には
「EPS(1株あたりの利益)と株価が連動する」
「企業利益と株価が連動する」
と、バラバラなことを書いていたのがダメでした。
この2つは似ているようで、違うんです!
「1株あたりの利益」と「純利益」が違うということです。
ますますわけがわからなくなっていると思いますが、簡単な話なのでもう少しだけ頑張って読んでください。
「S&Pグローバル」と「ヤムブランズ」を例に考えてみます。
まずはS&Pグローバルの純利益から見ていきます。
次はS&PグローバルのEPS(1株あたりの利益)
S&Pグローバルの純利益とEPSを比べても似たような動きをしているので勘違いしてしまったんです。
銘柄を実際調べる時はEPSの推移しか見てなかったので、余計に気付きませんでした。
実際計算してみたらよくわかります。
2000年~2021年の増加率
・純利益
404百万ドル→ 3,024百万ドル
増加率:7.48倍
・EPS(1株あたりの利益)
1.03ドル→ 12.51ドル
増加率:12.14倍
増加率がまったく違うのがわかると思います。
株価推移を見てください。
※ EPSは2000年12月末の数値なので、株価は2001年1月2日を採用しています。
2001年1月2日~2022年9月16日
28.38ドル→ 346.07ドル
上昇率:12.19倍
S&Pグローバルだと見た目だけでは「純利益に連動している」のか「EPS(1株あたりの利益)に連動している」のかがわかりにくいです。
計算しないとわかりません。
次にヤムブランズを見てみます。
純利益
EPS(1株あたりの利益)
これはわかりやすいです。
2012年を見てください。
純利益は2012年と比べるとまだ下回っていますが、EPSは2012年を上回っています。
これがキャッシュフロー創出能力の賜物なんです!
このキャッシュフロー(厳密にはフリーキャッシュフロー)を活用して自社株買いをしています。
※ フリーキャッシュフローとは、自由に使えるお金のこと。
自社株買いをすると発行済み株式数が減るので、EPS(1株あたりの利益)が上昇します。
EPS=「純利益」÷「発行済み株式数」で計算されるので。
ここでは難しく考えずに、「自社株買い」=「EPSの上昇要因」とだけ考えてください。
その自社株買いは前述のようにフリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)が潤沢な企業じゃないとできません。
繰り返しになりますが、ヤムブランズも他の銘柄もそうですが、実際銘柄のことを調べる時は、EPS(1株あたりの利益)しか見てなかったので、気付かなかったんです。
最後にヤムブランズの株価推移を載せて終わりにします。
EPSの増加率より株価上昇率の方が高いですが、そのことは今回は無視して、2012年と比べて株価が上がっているかどうかを見てください。
「純利益」よりは「EPS(1株あたりの利益)」の推移の方が株価の値動きに似ていると思います。
整理すると…
正確には、「株価は長期的にはEPS(1株あたりの利益)と連動する」が正しいです!
「株価は長期的には純利益と連動する」は間違いでした。
細かくて難しい内容だったかもしれませんが、「純利益=EPSではない」ということは覚えておいてください。
純利益が増益になること自体はすごく良いことですが、堀が深くて永続的な競争優位性を持っているビジネスは毎年フリーキャッシュフローも増加していくので、自社株買いによりEPSが上昇していきます。
そうは言っても、純利益も増益になってフリーキャッシュフローも増加している企業が一番いいです!
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