設備投資が伸びない…
#656
こんにちは、チャーリーです!
2022年8月28日の日経新聞に面白い記事が載っていました。
画像引用元:日本経済新聞(2022年8月28日朝刊1面)
この日経新聞の記事は見出しでわかる通り、「企業が設備投資をしないから成長していない」ということが書いてあります。
今回のブログでは「長期投資にとっては設備投資はマイナス要因」ということを書いていきたいと思います。
それは設備投資にお金が回れば回るほど、フリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)が減って、株主還元できる原資が減るからです。
フリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)が多ければ、自社株買いや企業買収、配当に回せるお金が増えて株主価値が上がります。
且つ、毎年フリーキャッシュフローが潤沢に生まれるので景気減速・景気後退などの逆境に強いです。
上記の日経新聞にも日本が設備投資を積極的に行わない理由をデータ分析すると「2008年のリーマンショック以前に大規模な設備投資をした企業は投資回収に苦しんでいた」と書いてあります。
設備投資が多い企業と少ない企業の株価を比較してみたいと思います。
比較する企業は以下の4社です。
日本
・トヨタ自動車
・キッコーマン
アメリカ
・アマゾン
・アップル
まずは日本から
トヨタ自動車
キッコーマン
こうやって比べると、よくわかると思います。
トヨタ自動車は営業キャッシュフローの割に設備投資が多いので、フリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)が残りません。
一方キッコーマンはフリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)が多く残っています。
コロナ全盛期の2020年の時も潤沢にフリーキャッシュフローがあります。
アマゾン
アップル
アマゾンは年々設備投資が増えていることがわかります。
一方アップルの設備投資はほぼ横ばいで、年々フリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)が増えていっています。
このことだけが大きな要因とは言いませんが、株価に与える影響は少なからずあります。
株価を比較してみます。
日本から
次はアメリカ
アマゾンの設備投資が急激に増え始めたのが2020年のコロナ以降なので2019年から比較します。
この差はたまたまでしょうか??
フリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)が潤沢な企業はビジネスに何らかの競争優勢性があると考えられます。
ビジネスに深い堀があり、参入障壁が高いのでフリーキャッシュフローが年々増加傾向にあります。
そういうビジネスを有している企業は利益も増益になりやすいので株価が上がりやすいんだと思います。
ニワトリが先か卵が先かということはありますが、「設備投資が少ない企業=フリーキャッシュフローが潤沢な企業」は「利益も増益になりやすい」ということが言えると思います。
もちろん100%そうとは言えないですが、投資先を判断する上では気にした方がいい項目の1つだと思います。
整理すると…
今回書いたキャッシュフローが全てではありませんが、投資先を選ぶときは気を付けて見た方がいいポイントの1つです。
なぜなら設備投資が少ない企業は、自社株買い、企業買収、配当金に回せるお金が潤沢にあるので株主価値を高められるからです。
設備投資が営業キャッシュフローと比較して多かったり、設備投資額が増加傾向にある企業は避けた方がいいというのは言えると思います。
私も投資のことを本格的に勉強する前までは、設備投資を積極的に行っている企業の方がいいと思っていましたので、このワナに引っかからないようにしましょう。