バフェットが金鉱株を買った理由!
#51
こんにちは、チャーリーです!
バフェットが会長を務めているバークシャーハザウェイの2020年6月末の有価証券報告書を見ると、金鉱株(金を採掘している会社)のバリック・ゴールド株を5億6355万ドル(約600億円分)買ったことがわかりました。
このニュースを受けて「バフェットの今までの投資スタイルと違う」とか、「バフェットが変節した」とか、「今までの投資哲学と矛盾している」など言われています。
なぜこんなことを言われるのかと言うと…
「金を眺めたり、なでたりすることはできるが、そこから何も生まれなかった」
「金には金利もつかず、配当もないため投資する意味がない」
と公言していたからです!
※ 過去ブログの(金(ゴールド)投資について②)を参照してください。
たしかにバフェットが言っている通り、金は何の価値も生まないので投資対象から外すことは納得できます。
ただ金投資をすることと、バリック・ゴールド株を買ったことは意味合いが違うと思うので、そのことを書いていきたいと思います。
金投資とバリック・ゴールド株取得は何が違うのかというと…
・金投資は、金利も配当もつかない。
→バリック・ゴールド株は配当がもらえる。
・金投資は金自体の価値は変わらないので、自分が買った金価格より誰かがより高く買ってくれるのを待つしかない。
→バリック・ゴールド株は自社株買いや、M&Aなどで株式価値を上げることができる。
上記している理由から金投資に否定的なバフェットが金鉱株に投資しても“なんら矛盾がない”ということがわかると思います。
プラス、金鉱株特有の収益構造も考えないといけません!
それは、オペレーションレバレッジ(営業レバレッジ)です。
オペレーションレバレッジのイメージは以下の通りです。
これを見ると当然と言ったら当然のことですが、金価格に関わらず生産コストは常に一定です。
なので金価格が1,000ドル→3,000ドルに3倍にしかなっていないのに、利益は21倍になっています。金価格が上がれば上がるほどレバレッジ(テコの原理)が働いて、利益が増幅していきます。
あと、忘れてはいけないのがバフェットは「米ドルについてかなり悲観的であり、ドル安に対する危機感がかなりある!」ということです。
バフェットはアメリカの経常赤字(貿易赤字)による巨額債務からドルについて悲観的になって、バークシャーハザウェイは2002年からドル安に備えて外国為替取引を行っています。
※ バフェット人生において初めてです。
バークシャーハザウェイは大量の現金(米ドル)を保有していることからドル安に対するヘッジ(リスク回避)をする必要がある。
下落相場に備えて、現金を1370億ドル(約14兆5000億円)保有している。
2002年当時にすでにドルに対して悲観的になって、為替取引をしてリスクヘッジ(リスク回避)をしていること自体がすごい!
ちなみに2002年~2005年の間に為替取引で20億ドル(約2100億円)の利益を出していいる。
ドル安になると金価格が上がりやすいのでバリック・ゴールド株取得の背景にはドル安へのヘッジ(リスク回避)の意味合いもあると思います。
整理すると…
バフェットが金鉱株を買ったことは、彼の哲学に照らし合わせてもなんら矛盾はありません!
またアメリカは慢性的な貿易赤字国であること、FRB(中央銀行)による市場への大量のドル供給政策などからドル安に対するヘッジ(リスク回避)の意味合いもあると個人的には思います。