FRBが資産圧縮した相場を振り返る

#473

こんにちは、チャーリーです!

2022年1月11月にFRBのパウエル議長が米上院での再任承認に向けた公聴会で以下のように語りました。

「年内に利上げを始め、おそらく年後半に保有資産の縮小を始めるだろう」

「(失業率低下を受けて)労働市場は信じられないほど急速に回復している」

「新型コロナウイルスに対応するための多様かつ極めて緩和的な政策を経済はもはや必要としていない」

などと語りました。

 

この中で注目しないといけないことは、利上げのことではありません。

利上げに関してはFRBは3月にも利上げに踏み切る可能性が高いからです!

このことは投資家の中では想定されていることです。

 

注目しないといけないことは「年後半に保有資産の縮小を始めるだろう」という文言です!

※ 保有資産というのは、FRBが保有する国債、不動産担保証券などのこと。

 

このコロナ禍の量的緩和でどれくらいFRBの資産が増えたかというと…

  

画像引用元:FRBのホームページ

 

この表は2021年9月末までの残高を表しています。

これが最新データでした。

2021年9月末時点:8兆4480億ドル(約929兆2800億円)

コロナが流行する前の残高はいくらだったのか??

2020年2月末時点:4兆1590億ドル(約457兆4900億ドル)

たった1年7ヵ月でFRBの資産が2倍になっています!

 

この異常ともいえる資産増大を正常化する必要があります。

このことがパウエル議長が公聴会で語った「年後半に保有資産の縮小を始めるだろう」ということです。

 

 

前置きが長くなりましたが、このFRBの資産圧縮は過去に1度行ったことがあります。

それはリーマンショック後にFRBが3回に亘って量的緩和策を講じましたが、量的緩和が終了した後に資産を縮小しました。

 

もう一度FRBの資産残高の推移を見てください。

資産圧縮していた期間:2017年10月~2019年9月

赤い▢の部分を見ると2017年10月から緩やかですが残高が縮小していることがわかると思います。

 

その時の相場はどうなっていたのかを振り返ってみます。

まずは米長期金利

一目瞭然ですが、長期金利が上昇しています。

具体的には

・資産圧縮が決定した2017年9月20日

 長期金利:2.273%

・ピーク時の2018年10月9日

 長期金利:3.261%

・資産圧縮終了が決定した2019年3月20日

 長期金利:2.524%

このことから間違いなく言えることは、FRBが資産圧縮(資産縮小)すると長期金利が上がるということです。

 

 

次にS&P500の推移を調べてみます。

株価には影響がないです!

2018年に株価が軟調に推移しているのは、FRBの資産圧縮は全く関係なく、米中の貿易戦争が勃発したことで株価が軟調に推移しただけです!

 

 

整理すると…

パウエル議長が2022年1月11日の公聴会で言及した「保有資産の縮小」については、過去の事例では株価に影響がなかったので気にする必要はないと思います。

ただ、これはあくまでS&P500に限ったことです!

忘れてはいけないことは長期金利は上昇しているということです。

今の相場がまさしくそうなように長期金利が上昇してもS&P500は史上最高値水準で推移していますが、期待値が大きいだけで買われているような銘柄は暴落といっていいくらい下がっています。

詳しくは前回ブログ(個人投資家に大人気! ハイパーグロース株)を参照してください。

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