アルケゴス・キャピタルマネジメントから学べること
#231
こんにちは、チャーリーです!
2021年3月26日に米投資会社のアルケゴス・キャピタルマネジメントが債務不履行に陥りました。
事の経緯は…
米国で投資活動している韓国系投資家のビル・ファン(ファン・ソングク)氏が運営しているアルケゴス・キャピタルマネジメントが保有株100億ドル(約1兆1000億円)分を担保にして、世界の金融機関から資金を借り入れて推測で資産の5倍にあたる500億ドル(約5兆5000億円)の投資に失敗しました。
ただ、投資に失敗しただけならここまで世界的に問題になりませんでしたが、借り入れによる投資が失敗したことで、各金融機関から史上最大の追証(担保を追加で差し入れること)を迫られました。この事態にアルケゴス・キャピタルマネジメントは追加の担保を差し入れることができず債務不履行になりました。
これを受けて、各金融機関が慌てて担保(株式)を強制的に投げ売りしたために、株価が大きく下がりました。
ちなみにこの事件のせいで、日本企業では野村證券が20億ドル(約2200億円)の損失が発生、三菱UFJFGが3億ドル(約330億円)の損失が発生しました。
アルケゴス・キャピタルマネジメントが保有していた銘柄
・バイアコムCBS(米メディア)
・ディスカバリー(米メディア)
・跟誰学(GSXテクエデュ)←中国のオンライン学習企業
・百度(バイドゥ)←中国の検索エンジン提供企業
・愛奇芸(iQiyi)←中国のビデオエンターテイメント企業
・騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ)
わかる範囲だと上記銘柄です。
追証が発生してしまった原因は…
まず担保の5倍まで投資していたことはもちろんリスク管理上、論外だとして…
中国企業でアメリカ市場に上場している企業に対して会計基準の見直しをして、基準に満たない企業の上場を廃止するという規制強化への懸念から中国株が売られやすい状況ではありました。
上記銘柄の跟誰学(GSXテクエデュ)と百度(バイドゥ)の年初からの株価推移を見てください。
このように借金をして投資していた中国株が大きく下がっています。
※53.3%下がったということは、半値以下になっているということなので下落率はかなりきついです。
このようにすでにきつい状況だったところへさらなる追い打ちがかかってしまいます。
それが、バイアコムCBSの新株発行です。
※ 新株発行は、自社株買いの真逆で、発行済み株式数が増えるので株価が下がる要因になります。
以上のことで追証が発生してしまい、その追証を払えなかったので資金を貸している金融機関が強制的に資産を投げ売りました。
長くなりましたが、このことから学べることは…
・赤字企業には投資をしたらいけない
→下落率が大きすぎる=長期投資は精神的に不可能
・キャッシュフローが潤沢じゃない企業には投資をしてはいけない
→キャッシュフローが潤沢にあれば新株を発行して資金調達をする必要がない。株主価値を上げるどころか、逆に株主価値を下げている。
この2つだけでも守っていたら上記銘柄は投資対象には全く入らないです。
やっぱり短期で儲けようと思ったらこういう銘柄に投資せざるを得ないんだと思います。儲かるときはすごい勢いで上がりますが、失敗した時の代償が大きすぎます…
整理すると…
今回すごく思ったことは、やっぱり自分の相場観を過信して売買を繰り返すとこういう結果に陥る確率がかなり高いということです。
このことは決して上記銘柄だけではなく、テスラ、ズーム、ウーバー、ビットコインに投資するのも理屈的には全く同じだと思います。