史上最大のIPOのはずが…
#120
こんにちは、チャーリーです!
2020年11月5日に史上最大規模のIPO(新規上場)を予定していたアント・グループが上場延期になりました。
※ アント・グループはアリババ集団傘下の金融会社。
上場を予定していたのは、上海市場と香港市場。
上場延期になった理由は親会社のアリババ集団の創業者である馬雲(ジャック・マー)氏が10月24日に開かれた上海での会合で、「良いイノベーションは(金融当局の)監督を恐れない。ただ古い方式の監督を恐れる」と発言したからです。
※ 意訳すると、中国の金融ルールがイノベーションを阻害していると非難した。
中国の実業界ナンバーワンのジャック・マー氏でさえ中国共産党に逆らったら痛い目に合うということがわかった。
今回はアント・グループとはどんな企業なのか?を書いていきます。
ただ、その前に史上最大規模のIPOの予定だったので過去の大型IPOとの比較を見てみたいと思います。
IPOの規模だけ見てもすごい企業ということがわかります。
以下のデータはアントの目論見書を基に作成しています。
次に事業内容を見てみます。
2020年6月時点だと与信(融資)業務の比率が一番高いけど、つい3年前の2017年は決済業務が50%を超えて一番比率が高かった。
1つずつ業務内容を分解していくと…
決済業務
レジでこのアイコンを見たことがないですか??
これだアントが運営するスマホ決済アプリの「支付宝(アリペイ)」です!
アリペイの利用者はなんと10億人を超えています。
SNSアプリとの会員数比較だと
引用:スタティスタ
SNSアプリとの単純比較だと、ざっとインスタ利用者と同じくらいの人数がアリペイを使っていることになります。
決済金額
1年間の取引決済金額
アントは2020年6月までの1年間の取引金額を掲載
※ アントは個人間送金の金額まで入っているので単純比較はできませんが…
単純比較はできませんが、それでも取引金額がすごすぎる…
続いて融資残高
三菱UFJ銀行は日本最大の融資残高。横浜銀行は地銀最大。
決済金額など他の項目と比べると、世界比較だとまだまだ融資残高は少ないですが、売上構成比率では与信(融資)事業が年々増えていっていることを考えると数年後には三菱UFJ銀行も越している可能性があります。
整理すると…
アントグループは2014年に設立された企業としては、各項目ともすでに世界トップクラスの業績を残しているので、調べれば調べるほどすごい企業ということがわかりました。
今は海外売上高比率がわずか4%前後しかありませんが、中国の一帯一路政策によって経済圏が広がっていくと業績は益々拡大していく可能性が大だと思います。