投資信託が市場平均に勝てない理由
#595
こんにちは、チャーリーです!
ここ最近のブログでも取り上げたことがありますが、今は「ピーター・リンチの株の法則」という本を読んでいます。
ピーター・リンチ【著】、平野誠一【訳】、ダイヤモンド社【出版】
この本の中で投資信託(アクティブファンド)がインデックスファンド(市場平均)に勝てない理由が書いてあったので紹介したいと思います。
実際問題としてアメリカの研究データではアクティブファンドは市場平均に勝てないという研究結果がいくつも出ています。
その理由として一番よく言われているのは、「運用コスト(手数料)が高いから」という理由です。
たしかに信託報酬という運用管理費用はインデックスファンド(市場平均に連動するファンド)と比べても手数料が高いのは間違いないです。
ただ、まず押さえておかないといけないことはこの本の著者であるピーター・リンチ氏はバリバリのアクティブファンドのファンドマネージャーだったんです!
しかも、このピーター・リンチ氏が運用を担当していた期間はS&P500(市場平均)を一貫して2倍以上の運用成績をあげているんです。
※ 1977年~1990年の間に平均29.2%の年間リターンをあげています。
そのことを踏まえた上でアクティブファンドが市場平均に勝てない理由としてピーター・リンチ氏が本に書いてあることを紹介していきます。
一般的なアクティブファンド
社内にいるアナリストの調査報告に基づいて、アナリストが推奨した銘柄の中から投資先を選ぶのがファンドマネージャーの仕事。
ピーター・リンチ氏が所属していたフィデリティ・マゼランファンド
スタッフも含めて自らが調査活動を行い、運用成果は全責任を負っていた。
アナリストに企業調査を全面的に頼らず、自ら調査していたみたいです。
このことは革命的なことと本に書いてあります。
えっ?たったこれだけ??って思うと思います。
たったこれだけの違いが運用成果に雲泥の差を生んだんです!
どういうことかというと…
アナリストに調査活動を全面的に頼んでいると、運用に失敗しても間違った情報を持ってきたアナリストが悪いことになるらしいんです。
そうなるとどういうことが起きるかというと…
アナリストは失敗を自分たちのせいにされたくないので、自分の身を守るために、あえて危険をおかさないようになる。
新しくて面白そうな銘柄ではなく、IBMのように無難で陳腐な銘柄を好んで推すようになります。
無難な銘柄を選んでおけば、たとえファンドマネージャーの運用成績が悪くても、さほど怒られないらしいんです。
→ アナリストが悪いんじゃなくて、好業績をあげなかったIBMが悪いという思考になるみたいです。
上記のような理由があるので、1980年代はまだ規模が比較的小さいけど、高成長企業だったタコベル(現ヤムブランズ傘下)、ウォルマート、アメリカの地方銀行、ファニーメイ(連邦住宅抵抗公庫)などに一般的なアクティブファンドは投資できなかったと。
ピーター・リンチ氏率いるフィデリティ・マゼランファンドは、自ら企業調査をして、自ら運用成果に全責任を負うことでこういう高成長企業に投資することができて、市場平均を大きく上回る運用成績が残せたと本に書いてあります。。
この仕事に携わってない人からすると、そんなバカな話あるかよ…って思いますよね。
でもこれが俗にいう「大企業病」なんだと思います。
自分が勤めている会社にも業種は違っても似たようなことが起きていないですか??
会社が大きければ大きいほどこういう現象が起きてしまうんです…悲
整理すると…
ピーター・リンチ氏が自分で調査して、全責任を負って投資すること自体が革命的と言っているくらいなので、一般的なアクティブファンドに見られる組織体系は今も脈々と続いていると思われます。
よくよく考えて見ると、ピーター・リンチ氏もそうですが、ウォーレン・バフェット氏も自ら企業調査をして自らの判断で投資を決めています。
人任せにせず、自分が調べていいと思った銘柄に投資をすればちゃんと儲かるということだと思います。
投資のアドバイスをしている立場上、肝に銘じておかないといけない事例でした。