ピンチ! 再生可能エネルギー銘柄に逆風が吹き荒れる

#495
こんにちは、チャーリーです!
2020年からESG投資がブームになりましたが、ESGの中でも一番ブームになったのは、環境だと思います。
ESGとは
Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字をとった言い方です。
「E」は環境に配慮している企業のことで、例えば再生エネルギーを使っている企業、ストローにプラスチックを使わないなどの環境汚染を気にしている企業などのことです。
「S」は社会に貢献している企業のことで、例えば人権への配慮ができている企業、女性の社会進出を実現している企業などのことです。
「G」はコンプライアンスを遵守しており、不祥事を未然に防ぐ経営がなされている企業などのことです。
再生エネルギー投資がブームになった背景にはコロナとバイデン大統領の存在が大きいと思います。
コロナが世界的に大流行したことで、世界各国の中央銀行が量的緩和策を行って、市場に投資マネーが大量に流れ込みました。
また、前大統領のトランプ大統領は石油も石炭も掘って掘って掘りまくって、経済成長を後押ししろという姿勢でしたが、バイデン大統領は世界的な動きに歩調を合わせて環境配慮に力を注いでいます。
タイトルにも書きましたが、その環境に配慮した再生可能エネルギー銘柄に逆風が吹き始めて株価も下がり始めています。
まずは、再生可能エネルギー関連の代表的な銘柄である「iシェアーズ グローバル・クリーンエネルギーETF」の株価推移を見てみます。
2021年1月7日のピークから45.4%下落しています。
時系列を整理すると…
2020年11月3日:アメリカの大統領選挙
2021年1月20日:バイデン大統領が就任
結果論で言うと、バイデン大統領が大統領選挙で勝利を収めてから大統領に就任するまでの間に上記ETFは最高値を付けたことになります。
再生可能エネルギー関連株が下がった理由について2022年2月8日の日経新聞には以下の3つが書いてありました。
・業績悪化
・競争激化
・脱炭素停滞
1つ目の「業績悪化」について
コロナによる人手不足と半導体不足によって予想以上にコストが上昇したために下方修正している銘柄が増えているみたいです。
例えば
世界でも有数の風力発電メーカーの「シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー社」は2022年2月3日発表した決算で4四半期連続の営業損失になって、通期予想も下方修正したみたいです
株価推移も見てみます。
2つ目の「競争激化」について
代表例は岸田首相の政策銘柄として注目されていた再生可能エネルギー発電所を運営している「レノバ社」です。
同社は政府による洋上風力の事業者に選定されると見込まれていましたが、三菱商事などの企業連合が大幅に安い発電単価を打ち出したため選定から外れてしまいました。
当然、2022年3月期の通期予想を大幅に下方修正して、2017年の上場以来初めての赤字になると発表しました。
2021年12月24日:4,600円
2022年2月8日:1,485円
下落率:67.71%下落
3つ目の「脱炭素停滞」について
個人的にはこれが一番理不尽に感じます。
元々、再生可能エネルギーに一番関心を持っていて、しかも一番注力していたのがEUです!
そのEUが2022年2月2日に原子力と天然ガスを脱炭素に貢献するエネルギーと位置付ける最終案を承認したんです。
急にハシゴを外されたかたちになって世界の投資家から批判が相次いでいます。
この3つが理由で再生可能エネルギー関連株は軟調に推移しています。
簡単に言うと、ブームが去ったと言えばそうです。
結局はブームに過ぎなかったのか…
整理すると…
やっぱりブームに乗って投資をするといいことは全くありません。
何かのテーマに絞って投資するとこういう事態に陥るので反面教師として参考になる事例だと思います。
コスト高、競争激化で業績悪化しているので株価が戻ってくる可能性はすごく低いと思われます。