なぜ!? 政府が株を買っているのは日本だけ…

#447

今、【「年金問題」は嘘ばかり~ダマされて損をしないための必須知識】という本を読んでいるのですが、この本の中に公的年金を株式運用することは間違いであるという内容が載っています。

 

高橋洋一【著】、PHP新書【出版】

 

本の中には理由がいろいろ書いてありますが、一番私的に説得力があったエピソードを紹介します。

 

アメリカの大統領がビル・クリントン大統領時代(1993年1月20日~2001年1月20日)だった時に、クリントン大統領が公的年金を株式運用すると発表しました。

 

ところが、当時FRB議長だったグリーンスパンFRB議長が反対したため、クリントン大統領はあっさりと提案を撤回しました。

~中略~

グリーンスパンFRB議長の言い分は「政府は健康のためにタバコ会社に対して厳しい措置をしなければいけないが、そのときに、公的年金でタバコ会社株を持っていたらどうするのか」

 

すごいわかりやすい言い分だと思います。

想像してみてください。

「もし、政府がタバコ会社株を保有しているとして、公的年金の運用成績を気にしてタバコ業界への厳しい措置(規制・増税)をためらったらどうなりますか??」

「もし、政府が公的年金の運用成績を気にするあまり、タバコ業界に厳しい措置(規制・増税)を行う前に、タバコ会社株を売却していたらどうしますか??」

 

当然これはタバコ業界だけの話ではありません。

世界的に電気自動車にシフトする流れになっているのに、政府がトヨタ自動車の株式を保有していたら世界に逆行して日本だけハイブリッド車を推し進める可能性だってあります。

 

もし、政府が日立製作所や三菱重工の株式を保有していたら、火力発電や原発をもっと推し進めて、世界的な流れの逆を行くかもしれません。

推し進めなくても、火力発電、原発からの脱却がスムーズに進まなくなります。

 

今でさえいろんな業界に忖度しながら政策運営をしていかないといけないのに、公的年金の運用成績まで気にし始めると忖度どころの問題じゃなくなります。

 

この理屈から言うと、「日銀の株式型のETFを購入していること」もおかしな話になります。

世界の主要中央銀行の中で、株式に投資しているのは日本だけです!

※ ETFを買っているのであって、個別銘柄に投資しているわけではないというのも通用しないと思います。

他国の中央銀行は上記の理由から株式投資は避けています。

 

 

整理すると…

日銀や公的年金(GPIF)が日本株を買っているので日本株が上がりやすいという議論もありますが、その逆もあると思います。

グリーンスパンFRB議長の議会証言からすると、日銀やGPIFが日本株を買っているからこそ、政策が後手に回って国益を損ねている可能性だってあると思いました。

日本企業からGAFAみたいな企業が生まれない理由の1つなのかもしれない…

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